本の森セルバBRANCH岡山店
1986年、岡山県生まれの水がめ座。担当は文芸書、児童書、学習参考書。 本を開けば人々の声が聞こえる。知らない世界を垣間見れる。 本は友だち。人生の伴走者。 本がこの世界にあって、ほんとうによかった。1万円選書サービス「ブックカルテ」参画中です。本の声、きっとあなたに届けます。
2020/08/05
『一人称単数』文藝春秋 村上春樹/著 気づけば扉の前に立っていた。何の変哲もなく、ごく普通の形をした標準的な大きさの扉だ。数えてみるとちょうど八つ。月が印象的な夜だった。やがて扉は、月明かりの […]
2020/07/06
『流星シネマ』角川春樹事務所 吉田篤弘/著 目には見えないものを、聴こえない声を――広い集めてしげしげと眺め、言葉という形にして世界に紡ぎだすのが、小説家の仕事なのかもしれない。その言葉は、そ […]
2020/06/23
『逆ソクラテス』集英社 伊坂幸太郎/著 「僕は、そうは、思わない」 子供の頃、そんな風に強い言葉で自分自身のことを守れたなら、どんなに良かっただろう。言葉を飲み込んでは自己嫌悪に陥り、こんな自 […]
2020/05/21
『月のケーキ』東京創元社 ジョーン・エイキン/著 三辺律子/翻訳 月のケーキを作りましょう。材料は桃にブランディにクリーム、タツノオトシゴの粉に、グリーングラスツリー・カタツムリをひとつかみ。 […]
2020/05/08
『透明な夜の香り』集英社 千早茜/箸 その人の声は深い紺色をしていた。黒と見間違うほどの深い深い紺だ。でも、黒ほどはっきりとした拒絶の色を示していないことが、救いのようだった。その声は、一香の […]
2020/04/20
『魔女たちは眠りを守る』KADOKAWA 村山早紀/著 この物語の主人公はうら若き魔女、七竈・マリー・七瀬。でも、七瀬(いささか長い名なので、彼女のことは七瀬と呼ばせてもらおう)の年齢は、実は […]
2020/04/02
『生のみ生のままで』集英社 綿矢りさ/著 〈退屈などしていなかった。〉 そう、逢衣(あい)は退屈なんてしていなかった。高校生の時に憧れていた一つ年上の男性と付き合い始めて二年が経 […]
2020/03/16
『できることならスティードで』朝日新聞出版 加藤シゲアキ/著 自分の心の中を言葉にするという行為はひどく勇気のいることだ。それは、私の中の一番深い場所や純粋な部分を世界にさらけだすのと同じこと […]
2020/03/05
『たおやかに輪をえがいて』中央公論新社 窪美澄/著 クローゼットの床に落ちていたのは見覚えのないカラフルなカードだった。絵里子は目をしばたかせながら、そのカードに手を伸ばす。それは風俗店のポイ […]
2020/02/27
『しあわせの島へ』徳間書店 マリット・テルンクヴィスト/著 長山さき/訳 〈古い板でつくったおんぼろのいかだにのって、女の子が海を旅していました。〉 女の子が目指すのは、わたしがわたしらしくい […]
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