akane
2018/05/22
akane
2018/05/22
私の母は最近よく耳にする「毒母」です。子どものころはいつも怒鳴られ、急かされ、お腹を足蹴にされて気を失ったこともあります。長女の私はお婿さんを取ることを期待されながら嫁に出たのですが、結婚4年後に両親との同居が始まりました。新築住宅を購入したら、当たり前のように両親が入ってきたのです。
母は相変わらず威圧的で、私のやることなすこと文句ばかり。できるだけ母と関わりを持たないようにするなど、この年になって反抗期状態です。周囲に「年老いた親を見捨てた」と言われてもいいから、母と離れたい。
でも長男が大学に入ったばかりで別居する資金がなく、認知症で歩けなくなり入院していた父がじきに退院するといったこともあり、なかなか思いどおりにはいきません。自分では「きっといい方向に向かっている」と信じていますが、不安も大きいのが正直なところ。私の願いが叶う未来はあるのでしょうか。
今日までよくがんばってきましたね。「親だから面倒を見なくては」と思い、自分本位なお母さんの言うことを聞いてきたK子さんは、とても偉いと思います。心から褒めてさしあげたいです。
お母さんは、おそらく少し病んでいる気質の持ち主なのでしょう。
今でいう相手の気持ちを汲んであげる事のできない障害があるのかもしれませんね。それゆえ相手を思いやれず、いままで威圧的な行為に終始してきたのでしょう。でも、そうだとしても、幼い子のお腹を足蹴にするなんて、ふつうではありません。
あなたはお母さんを怨んでもいいんですよ。「母親なんて、いなくなればいい」と思っていいんです。そう思って当たり前だと思います。
ただその一方で、心のどこかで、「病気だから、しょうがないわね」とあきらめも持ってほしいのです。お父さんも長い間ずっとガマンされてきたとのことですから、あなたから労ってあげてください。「お母さんは病気だったのかもしれない。それですぐに感情的になったり、自分本位にいろんなことを押しつけてきたりしたのかもしれないね。お父さんも何十年もよくガマンしてきて偉いけど、仕方がないよね。私もガマンするから、お父さんもガマンしてね」と。
あなたが外で働くようになったことは幸いです。目がだんだん外に向けられるようになり、きっといい方向に向かうでしょう。お母さんと離れて暮らすのは今はムリかもしれませんが、いつか、いつか離れて暮らせる日がくるでしょう。
それまでできるだけ多く自分の時間を確保してください。
あと、ご両親はすでに二世帯のお墓を建てたとのことですが、あなたが「同じお墓に入りたくない」のであれば、入らなくてもいいのです。守っていくことも、引き継ぐ必要もありません。お母さんが亡くなったら、その墓に入れてあげて、あとはそのままお返しするなり、永代供養するなりして、自分は自分で決めればいいことです。
ワークのときにみなさんに言っていることですが、あなたにも言います。「K子さん、偉いね。愛してるよ」と。
自分の不満や愚痴を自分に話して聞かせてあげてくださいね。
本当に「毒母」なら、怨んだっていいのです。
それで自分に悪いことが降りかかってきはしません。
それでもね、やっぱりどこかで親子なんです。
憎む気持ちとは裏腹にどこか可哀想に思う気持ちも入り混じり
複雑なのが親子なのです。
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