akane
2018/10/23
akane
2018/10/23
秘密の恋――不倫をして、もう14年になります。
その間、何度も別れようと思いながらも、別れられませんでした。
できれば彼と結婚したいと夢見る一方で、彼の家庭を壊すのはイヤと、心が千々に乱れるばかり。
彼のほうも、いまの奥さんと離婚することまでは考えていないでしょう。
ときどき、私は彼にとって都合のいい女なのかもしれないとさえ考えてしまいます。
でも、このままではよくない。私はこの先一人で生きていく覚悟が持てないし、さみしい晩年を迎えるのはつら過ぎます。
私たち二人のためにも、彼の奥さんと家庭のためにも別れたほうがいいと頭ではわかっているけれど、本音は「別れたくない。彼と結婚したい」。その気持ちが強くて、別れに踏み切れないのです。
もう自分でどうしていいかわからなくなっています。アラフィフの年齢の女性がする相談内容ではないですよね。まさよさんに叱られる覚悟でメールさせていただきました。
不倫というのは、テレビドラマの世界の話だと思っていましたが、人生相談を始めて、多くの女性たちが不倫で悩んでいることを知りました。Aさんはたくさんいらっしゃる、そんな女性たちの一人なのですね。
たとえどんなに同じような人がいたとしても、あなたの苦しみはあなただけですものね。
あのね、本当は彼を愛しているのか、彼が好きなのか、もうきっとわからなくなっていると思います。
言い方を変えるとね、ごめんなさいね。
「14年も長く一緒にいたのだから、14年も私の時間を、人生を捧げてきたのだから、今さら別れることはできない」。
もう答えは結婚しかないと、あなたの心は、本心はそう思っているのです。
こんなに長い時間なのですから、そう思うことも当たり前でしょう。誰もAさんを責めることではできませんね。
だけどね、彼はこのままがラクなのです。あなたが答えを出せないように、彼も答えを出せないから、二人で結局はこのままがいいのです。
Aさんだって、彼と新しい結婚生活を始めることをもう現実的にイメージできないですね。夢の夢だとどこかでわかっているはずです。
だったら夢のままでおりましょう。別れることも怖い、先にも進めないのなら、このままでいいとどこかで思いましょう。
そしてね、Aさん。
どうして、あなたの晩年は孤独でさみしいと決めるのですか?
人はみんな幸せに見えても孤独でさみしいものです。
孤独でさみしいのは、晩年じゃなくても、今だっておなじでしょう? 孤独でさみしいことにね、年齢は関係ないのです。さみしい人は、20代でも、30代でも……60代、70代になってもさみしいものです。まずはそれを忘れないで下さいね。
仮にもしも彼と結婚できて、彼が先に亡くなったら、それはあなたが思う孤独でさみしい晩年になりますか? そう思うのなら、それはいずれ誰の身の上にも必ず起きる孤独ですね。
晩年がさみしいと思うのなら、今から他にさみしくない何かを探してみましょう。見つからなかったら、いつか見つかればいいなぁという気持ちで、ラクにおりましょう。
一人は嫌だというのなら、心から話せる友人を持ちましょう。
難しいと思わず、いつかそんな友人ができたらいいなぁという気持ちでおりましょう。お金が心配だというのなら、一人で食べていけるだけの貯金をしましょう。僅かずつでも貯まっていたらいいなぁという思いで、10円、100円を貯めましょう。
そのほうがね、ずっといいと思います。
そしてね、彼との関係をどうするか、その答えを求めるのはやめましょう。 答えが出ないというのは、あなたが求める答えがそこにないのです。
どうするのがよいとか悪いとか、白黒つけずに、これが答えなのだと、そう思うことだとおもいます。
それは諦めかも知れませんが、それがお互いにいちばんよい事ではないでしょうか?
こういう関係が続くと、男の人が悪いとか、別れなかった女の人が悪いとか結論を出そうとしますが、それを選んできたのは、どちらか片方ではなくて、お互いにそれを選んできたのですから、どちらか片方にだけ責任があるわけでも、悪いわけでもないと、私はそう思います。
Aさん、あなたの未来が幸せでありますように。
あなたが笑顔で満ちていることを、私は陰ながら祈っておりますね。
不倫の恋を続けるべきか否か。
いくら考えても答えは出ませんね。
彼に対して「好き」「いっしょにいたい」という気持ちを手放してしまえないなら、あえて今のそのままにいることだと、今の答えなのだとそう思います。
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