ゴシキが大予想!今シーズンブレイクする若手選手は誰だ!?(後編)
お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

ryomiyagi

2020/02/28

キャンプに入り、開幕へ徐々に近づくプロ野球。毎年楽しみなのが、若手選手の躍進だ。今はまだあまり注目されていなくても、シーズン開幕後に「化ける」選手はいるのか? お股クラスタの一人、ゴジキ氏(@godziki_55)に寄稿してもらいました。

 

前編はこちらから

 

 

■飛躍が期待されるオリックス・太田椋、広島・高橋昂也

 

まずは、オリックスの太田椋が注目だ。ミレニアム世代を代表する選手の一人だが、U18といった世代別代表に選出されてきた小園・藤原・根尾のような派手さはないままプロ入りした選手だ。しかし、遊撃手としては小園や根尾の次に出てくるレベルの選手だと見ている。

 

昨シーズンは、怪我などがあったものの一軍の試合にも出場し、今後は大型遊撃手や三塁手としても活躍を期待されている選手である。

 

※一軍・二軍成績(2019/1年目)

 

二軍 64試合 打率.258 6本 21打点 OPS.743
一軍 6試合 打率.000 0本 0打点 OPS.188

 

次に広島の高橋昂也。力感のないフォームから伸びのあるストレートを駆使し、高校時代は埼玉県大会でノーヒットノーランを達成するなど、防御率0.00を記録した。また、U18では宿敵である韓国戦で、8回途中まで9奪三振を記録する好投を見せて優勝に大きく貢献した。

 

広島に入団後は、1年目から二軍戦で活躍し、ファーム日本選手権では好投し、日本一に貢献。2年目は、キャンプから一軍に帯同し期待されていたが、成績が振るわず左肘の故障もあって苦いシーズンに終わったが、二軍では高い奪三振率を残した。

 

3年目の昨シーズンも、キャンプ期間中にトミージョン手術を受けて復帰したのが秋になったということもあり、今シーズンこそ飛躍が期待される。

 

※一軍・二軍成績

 

二軍
(2017/1年目) 17試合 2勝0敗 28回 27奪三振 防御率1.29
(2018/2年目) 13試合 4勝3敗 68回 80奪三振 防御率3.18
一軍
(2018/2年目) 6試合 1勝2敗 21回 17奪三振 防御率9.43

 

■チームの弱点を補う「救世主」になれるか

 

次に注目する若手選手は、ソフトバンクの杉山一樹、松本裕樹とヤクルトの長谷川宙輝、中日のルーキー郡司裕也である。

 

ソフトバンクは素材型の投手を満遍なく成長させられる環境だが、その中で杉山もおそらく一軍レベルに到達し、活躍する日も近い投手だろう。

 

特にボールのスピードや強度はもちろんのこと、カーブを含めた緩急もあり、中継ぎに回るとなると、相手からすれば大きな脅威になっていくに違いない。

 

松本裕樹は、高校時代は投手としての実力はもちろんのこと、二刀流で高校通算54本塁打を記録するなど「大谷二世」と言われていたが、プロ入り後は怪我などもあり、期待値から見たら伸び悩んでいた。しかし、今年のキャンプではここ近年で一番良い球を投げており、今年一気に伸びてきそうな予感がする。

 

ヤクルトの長谷川は、育成ドラフト2位でソフトバンクに入団し、高校時代に140キロ台前半だったスピードを、急成長して1年で150キロにまで伸ばした。選手層の厚いソフトバンク投手陣の中では、なかなか出場機会や結果を残すことができなかったが、昨年は三軍で5勝3敗、防御率2.41を記録した。

 

ソフトバンク側からは育成契約として再契約を打診されたが、それを断りヤクルトが支配下で獲得した。そして、今年のキャンプでは一軍に抜擢され、先日の対外試合では4者連続三振や2月中旬では異例となる最速149キロをマークするなどの活躍を見せた。この調子でアピールを続けながら、調整が上手くいけば、投手陣のコマ不足に悩むヤクルトにとっては貴重な戦力となり、先発ローテーションに入る可能性もあるだろう。

 

また、大卒1年目を迎える中日の郡司だが、仙台育英時代から大学時代まで非凡な才能を発揮し、捕手としては高い打撃力を持つ。

 

谷繁元信以来、捕手不在の中日が上位進出するためには、郡司の活躍も鍵になっていくだろう。

 

※一軍・二軍成績

 

杉山一樹
二軍 (2019/1年目) 22試合 4勝0敗 36回 25奪三振 防御率2.50
一軍 (2019/1年目) 2試合 0勝0敗 4回 4奪三振 防御率9.00

 

松本裕樹
二軍 (2016/2年目) 9試合 5勝1敗 36回1/3 21奪三振 防御率3.06
二軍 (2017/3年目) 11試合 3勝6敗 49回 33奪三振 防御率4.22
二軍 (2018/4年目) 3試合 2勝0敗 15回 12奪三振 防御率0.60
二軍 (2019/5年目) 11試合 3勝1敗 47回 40奪三振 防御率1.72
一軍 (2016/2年目) 1試合 0勝0敗 1回 1奪三振 防御率9.00
一軍 (2017/3年目) 15試合 2勝4敗 58回1/3 43奪三振 防御率4.78
一軍 (2018/4年目) 6試合 1勝2敗 28回2/3 20奪三振 防御率3.45
一軍 (2019/5年目) 7試合 1勝1敗 33回2/3 32奪三振 防御率4.01

 

長谷川宙輝
二軍 (2017/1年目) 3試合 0勝0敗 3回 6奪三振 防御率0.00
二軍 (2018/2年目) 12試合 1勝2敗 44回 25奪三振 防御率5.32
二軍 (2019/3年目) 9試合 1勝2敗 22回1/3 27奪三振 防御率6.04

 

■巨人軍の注目株と言えば…

 

巨人の若手で注目の選手といえば戸郷翔征、高田萌生、山下航汰ではないだろうか。

 

戸郷といえば、昨シーズン優勝を決定した試合でプロ初登板を果たして優勝に貢献したが、やはり魅力的なのは平均球速の速さである。

 

体力面はもちろんのこと、スラット+スプリット型の投球スタイルを今後確立していくことによって、先発ローテ入りは見えてくるだろう。

 

次に高田は、先発として期待されているが、まずは中継ぎやロングリリーフなどで力をつけていってほしいと思っている。

 

投げているボール自体は力があるため、出力が最大限に活かせる短いイニングから任せることによって結果もついてくる可能性が高い。

 

そして、山下は昨シーズン育成選手からスタートだった中で、イースタンリーグ首位打者を獲得した。

 

打撃面での課題は、水準以上のボールへの対応力やスイングの早さであり、守備走塁面では一軍レベルに程遠いので力をつけてほしい。今年で高卒2年目ということもあり、まだまだ体力面や対応力も伸び盛りなため、非常に期待できる選手である。

 

※一軍・二軍成績

 

戸郷翔征
二軍 (2019/1年目) 11試合 4勝1敗 42回 44奪三振 防御率3.00
一軍 (2019/1年目) 2試合 1勝0敗 8回2/3 11奪三振 防御率2.08

 

高田萌生
二軍
(2017/1年目) 2試合 0勝1敗 5回 2奪三振 防御率5.40
(2018/2年目) 21試合 11勝2敗 113回2/3 85奪三振 防御率2.69
(2019/3年目) 20試合 6勝6敗 108回1/3 87奪三振 防御率2.99
一軍
(2018/2年目) 1試合 0勝1敗 2回 0奪三振 防御率27.00
(2019/3年目) 2試合 0勝0敗 5回 7奪三振 防御率5.40

 

山下航汰(2019/1年目)
二軍 90試合 打率.322 7本 40打点 OPS.867
一軍 12試合 打率.167 0本 0打点 OPS.481

 

以上が個人的に注目している若手選手だが、ここには挙げられていない中にも活躍しておかしくない選手は数多い。
今シーズンも新たな一流選手が誕生することに期待して、開幕を待ち望んでいる。

お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

お股ニキ(@omatacom)(おまたにき)

野球経験は中学の部活動(しかも途中で退部)までだが、様々なデータ分析と膨大な量の試合を観る中で磨き上げた感性を基に、選手のプレーや監督の采配に関してTwitterでコメントし続けたところ、25,000人以上のスポーツ好きにフォローされる人気アカウントとなる。 プロ選手にアドバイスすることもあり、中でもTwitterで知り合ったダルビッシュ有選手に教えた魔球「お股ツーシーム」は多くのスポーツ紙やヤフーニュースなどで取り上げられ、大きな話題となった。初の著書『セイバーメトリクスの落とし穴』がバカ売れ中。大のサッカー好きでもある。
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