ryomiyagi
2020/02/26
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2020/02/26
高校時代からその才能を騒がれていた清宮幸太郎だが、高校通算111本塁打という歴代でも最高の記録を残し、高校通算の成績は打率.405・29本塁打・95打点(公式戦のみ)である。
日本ハム入団後、1年目と2年目は下記の成績を残した。
二軍成績
(2018/1年目) 45試合 打率.244 17本塁打 42打点 OPS.930
(2019/2年目) 8試合 打率.250 1本塁打 3打点 OPS.762
一軍成績
(2018/1年目) 53試合 打率.200 7本塁打 18打点 OPS.665
(2019/2年目) 81試合 打率.204 7本塁打 33打点 OPS.610
1年目から二軍では17本の本塁打を放ち、一軍でもプロ初ホームランを含む7本塁打を記録し、高卒1年目としては非常に良い成績を残している。
柔軟性のあるフォームから飛距離が見込まれる打撃は高校時代から非常に魅力的であり、今シーズンは怪我や故障さえ気をつけていけば、本塁打が出づらい札幌ドームを本拠地とする中で、中田翔以来の日本人シーズン30本塁打を期待できる選手だ。
次に、安田尚憲は高校通算65本塁打を記録し、2017年のセンバツ大会では、履正社を準優勝に導いている。
ロッテ入団後の1年目、2年目の成績は下記の通りである。
二軍成績
(2018/1年目) 106試合 打率.271 12本塁打 62打点 OPS.741
(2019/2年目) 122試合 打率.258 19本塁打 82打点 OPS.804
一軍成績
(2018/1年目) 17試合 打率.151 1本塁打 7打点 OPS.514
(2019/2年目) 出場試合なし
清宮ほどではないが、高卒1年目から二軍では二桁本塁打を記録し、2年目も一軍での出場こそなかったが二軍では19本塁打、OPSも.804を記録した。
ロッテからすれば本拠地にホームランラグーンを設置したこともあり、左の長距離砲として安田に期待しているのは間違いない。
清宮と安田の比較対象として、現在一線で活躍している選手の1年目の成績を挙げてみる。
ここ10年の主な選手の高卒1年目一軍成績
筒香嘉智(2010) 3試合 打率.143 1本塁打 1打点 OPS.971
山田哲人(2011) 出場試合なし
大谷翔平(2013) 77試合 打率.230 3本塁打 20打点 OPS.660
鈴木誠也(2013) 11試合 打率.083 0本塁打 1打点 OPS.298
森友哉(2014) 41試合 打率.275 6本塁打 15打点 OPS.945
岡本和真(2015) 17試合 打率.214 1本塁打 4打点 OPS.612
村上宗隆(2018) 6試合 打率.083 1本塁打 2打点 OPS.548
ここ10年の主な選手の高卒1年目二軍成績
筒香嘉智(2010) 102試合 打率.289 26本塁打 88打点 OPS.835
山田哲人(2011) 114試合 打率.259 5本塁打 39打点 OPS.662
鈴木誠也(2013) 98試合 打率.281 2本塁打 38打点 OPS.693
森友哉(2014) 68試合 打率.341 5本塁打 41打点 OPS.901
岡本和真(2015) 69試合 打率.258 1本塁打 16打点 OPS.662
村上宗隆(2018) 98試合 打率.288 17本塁打 70打点 OPS.879
すぐに目につくのはなんといっても大谷、そして昨シーズンに高卒2年目ながら30本塁打を記録したヤクルトの村上宗隆だろう。1年目の清宮同様に、二軍での成績は非常に素晴らしいものがある。
過去に高卒1年目から二軍で二桁本塁打を達成している選手は筒香と村上だけである点をふまえると、清宮と安田には一軍でのシーズン30本塁打や打撃タイトル獲得など、かかる期待は大きい。
また、清宮の場合は試合数を考慮した上で見ても1年目の大谷の成績に引けを取らない数字であることから、今シーズンは注目だ。
ヤクルトの廣岡大志は、智辯学園出身の長距離砲として期待されている若手だ。ルーキーイヤーはイースタンリーグでリーグ最多の114三振を喫してしまった一方で、10本塁打を記録。シーズン終盤には一軍でプロ初本塁打を放ち、大砲の片鱗を見せた。
下記がこれまでの一軍と二軍の成績である。
二軍成績
(2016/1年目) 113試合 打率.218 10本 47打点 OPS.616
(2017/2年目) 111試合 打率.244 16本 57打点 OPS.728
(2018/3年目) 61試合 打率.244 6本 33打点 OPS.728
(2019/4年目) 14試合 打率.176 3本 7打点 OPS.631
一軍成績
(2016/1年目)2試合 打率.429 1本 3打点 OPS1.286
(2017/2年目) 11試合 打率.250 0本 1打点 OPS.608
(2018/3年目) 45試合 打率.209 2本 10打点 OPS.553
(2019/4年目) 91試合 打率.203 10本 25打点 OPS.710
昨シーズンの4年目まで徐々に出場試合数も増えていき、一軍に定着しつつある選手である。昨シーズンの開幕当初の41打席ノーヒットや夏場以降の打撃を見ると、守備位置による柔軟性や打撃の安定性に欠けるのが弱点だろう。ツボにハマればとことん打つタイプの選手と言える。
この手の選手は開幕から一定期間は同じ守備位置を守らせつつ、負担のない打順に置いて伸び伸びとプレーさせることによって、急速に成長していく可能性がある。6,7番あたりに置いて自由に打たせておき、打順や守備位置に対する適応力を見たらある程度は固定していくような起用法がカギになるだろう。
持ち前の長打力を活かして、村上と共にヤクルトを引っ張っていってほしい選手である。
小園海斗と藤原恭太はお互い同じボーイズ出身であり、高校時代は2年生の段階でU18に選ばれ、甲子園も賑やかせた選手だ。この2人の凄さといえば、ボールを芯に当てるうまさがある「コンタクト力」や、初見の投手や国際大会の環境に対する「適応力」だろう。
特に小園の場合は、入団当初から守備面に課題を残していたが、MVPに輝いたフレッシュオールスターでのプレーや夏場以降の一軍での活躍を見ると、持ち前のコンタクト力や適応力は頭ひとつ抜けているものがある。
また、広島は新井貴浩、栗原健太、堂林翔太などを若手時代に我慢強く内野として起用した歴史的な育成事情があることや、菊池涼介が残留したが固定されているレギュラーのいない三塁手を昨年から練習している点を考慮すると、小園はプロレベルにおいては守備面が懸念材料だったとしても、藤原や根尾よりも早く出てくる可能性はある。
次に藤原は、54年ぶりに高卒ルーキーとして開幕スタメン出場をするなど、開幕までは順調だったが、“プロの選手“として見ると身体の線が細いこともあり、シーズン通しての体力面に課題を残した。現状のロッテの中堅手が実質的に昨年ベストナインの荻野貴司だけというチーム事情や対外試合の調子を考慮すると、荻野のコンディション面や藤原自身の成長によっては、昨年以上に出場機会が一気に増えるかもしれない。
小園と藤原には「コンタクト力」や「適応力」が共通して備わっているが、同世代の根尾昂にこの能力があると言えるかというと、劣る部分はあるかもしれない。
根尾の場合は、守備面で難なく熟せるユーティリティ性は藤原や小園よりずば抜けたものがある。しかし、打撃面ではトップの早さやテイクバックのスムーズさにおいて小園や藤原より若干劣っており、水準以上のボールへの対応が難しいためか、昨シーズン中やウィンターリーグを通してフォームの確立へ試行錯誤を繰り返している状態だ。
キャンプでは、テイクバックの動きが緩和されつつあるのを見ると、ポテンシャルの高さはさすがの一言である。タイプから見ると、ソフトバンクの今宮健太が近い。高校時代のようなスケールは残したまま成長してほしい選手である。
一軍・二軍成績
小園海斗(2019/1年目)
二軍 53試合 打率.210 6本 22打点 OPS.605
一軍 58試合 打率.213 4本 16打点 OPS.565
藤原恭太(2019/1年目)
二軍 82試合 打率.227 4本 21打点 OPS.619
一軍 6試合 打率.105 0本 4打点 OPS.211
根尾昂(2019/1年目)
二軍 108試合 打率.210 2本 33打点 OPS.563
一軍 2試合 打率.000 0本 0打点 OPS.000
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