巨人軍、日本シリーズ進出へのキーマンは誰だ? ゴジキが考えるプレーオフの戦い方(後編)
お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

agarieakiko

2019/10/09

9日から始まるクライマックスシリーズ、ファイナルステージ。
5年ぶりのリーグ優勝を果たした読売ジャイアンツは日本シリーズへ進出できるのか?
「お股クラスタ」の1人でもある巨人ファンのゴジキ氏(@godziki_55)が今回も“出張寄稿”してくれました。

 

 

◆「原イズム」を彷彿とさせるスーパーサブ、増田大輝

 

今シーズンから「スーパーサブ」として主に代走で活躍し、優勝を決定づけるタイムリーを放った増田大輝は注目である。

彼は近畿大学に入学後、大学2年時に退学してしまい、一時期は地元である徳島でとび職をしていたという、珍しい経歴を持つ選手である。

 

2014年から地元である独立リーグ、四国アイランドリーグの徳島インディゴソックスに加入し、翌年のドラフトで巨人に入団(育成1位)した。

 

その後、2016年から三軍、二軍と着実にステップアップ。今シーズンはついに一軍昇格を果たし、5月5日の広島戦では、初のスタメン出場も成し遂げた選手である。

 

増田は打撃には物足らない部分もあるが、内野のサブポジションを守れつつ、相手からすれば驚異的であるスピード感のある走塁が魅力だ。戸郷と同様、短期決戦はもちろん、来季以降も巨人にとって大きな武器になっていくだろう。

 

華やかなプロ野球選手としては珍しい経歴はもちろんのこと、プレーを通してハングリーさが伝わってくる選手。そんな増田がチームに貢献する姿は、2008年の山口鉄也や2009年の松本哲也といった育成出身の選手が台頭して優勝に導いた時の「原イズム」を彷彿とさせる。

 

◆接戦をモノにするには外国人を含めた長打力が必要

 

今シーズンの巨人が球界屈指クラスの好投手とマッチアップした接戦では、坂本や丸はもちろんのこと岡本、ゲレーロ、ビヤヌエバ、陽岱鋼などの長打力がある選手の一発で勝利した試合が多々ある。

 

短期決戦でロースコアゲームとなった場合にも、このような勝ち方は非常に必要となるだろう。

 

たとえば、松井裕樹から勝ちを取れた試合(6/4楽天戦)ではビヤヌエバの一発などで勝利したし、山本由伸が登板した試合(6/18オリックス戦)では岡本の一発を含んだ得点で勝てた。

 

さらには、今シーズン圧倒的な投球を披露したジョンソンから、ゲレーロが涙の逆転本塁打を放った試合(9/15阪神戦)も象徴的だろう。

 

今年の巨人はこのような勝ち方ができるので、馬力がある4番の岡本はもちろんのこと、ゲレーロやビヤヌエバといった外国人選手の起用にも注目だ。

 

◆リーグ戦とは異なる、CSに向けての課題

 

ここまでは注目選手や起用法を書いてきたが、当然ながら懸念点もある。

 

まずは、中継ぎ陣の披露だ。前半戦からの度重なる登板で酷使された影響か、高木京介、中川、田口あたりはシーズン終盤にかけて調子を落としていた。彼らの状態は心配である。シーズン終了からCSまでの期間、どのようなコンディショニングや調整を行ってきたか注目だ。

 

二つ目は打線のコアである亀井、坂本、丸の調子だ。

 

亀井、坂本は月別打率が綺麗な形で上下しており奇数月は調子が良く、偶数月に調子を落としている。シーズンの疲れや好調の反動が非常に心配だ。CSまでの期間でどれだけコンディションが戻っているかが鍵である。また、シーズン終盤に調子を落とした丸も懸念材料だろう。

 

このような課題もあるが、選手や首脳陣、ファンが一体となり、「阿部慎之助の最後の花道」として日本シリーズに連れていき、日本一になる。それが、阿部への最大の恩返しであり、最高の送り出し方になるだろう。

お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

お股ニキ(@omatacom)(おまたにき)

野球経験は中学の部活動(しかも途中で退部)までだが、様々なデータ分析と膨大な量の試合を観る中で磨き上げた感性を基に、選手のプレーや監督の采配に関してTwitterでコメントし続けたところ、25,000人以上のスポーツ好きにフォローされる人気アカウントとなる。 プロ選手にアドバイスすることもあり、中でもTwitterで知り合ったダルビッシュ有選手に教えた魔球「お股ツーシーム」は多くのスポーツ紙やヤフーニュースなどで取り上げられ、大きな話題となった。初の著書『セイバーメトリクスの落とし穴』がバカ売れ中。大のサッカー好きでもある。
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セイバーメトリクスの落とし穴マネー・ボールを超える野球論

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