BW_machida
2020/08/07
BW_machida
2020/08/07
7月上旬に開幕当初から表ローテで投げていた田口麗斗が、下旬にはエンジェル・サンチェスが故障で離脱。だが、巨人にはそれをカバーする地力があった。
先発陣では、エース菅野智之が6月とはうってかわりイニングイーターとして投げ切り、7月は4試合中2試合で完封勝利を記録。月間成績は4勝0敗防御率0.30と文句なしの成績を残した。欲を言うと、スラットの配分を増やしていき、さらに支配的な投球をして球数を制御していくことが求められる。
次に戸郷翔征は、高卒2年目ながらもローテーションを守っている。雨天中止による日程のスライドや田口とサンチェスの離脱によって表ローテに移った現在、キャリアで最初の勝負所を迎えている。成績を見ると下降気味ではあるが、投げているボール自体は菅野と遜色ないレベルに達しつつある。
課題点としては、ピッチングに良くも悪くも「若さ」が出てる部分だろう。例えば、菅野は下位打線などに対して力を抑えた上で、一度打たれたら次の対戦場面では抑えられるレベルにまで引き上げながら手を抜くことができる。しかし戸郷の場合は、前に打たれた場面と似たような力感を繰り返すため、同じような打たれ方をされる時がある。今後はそのあたりも学びつつ、再現性を高めることで一段上のレベルに上がっていってほしい。戸郷のポテンシャルならば、すぐ実践していくだろう。
CCメルセデスは開幕前の故障が心配されたが、ここまではローテーションを守っている。昨シーズンまでは5回が精一杯のピッチングをしていたが、今シーズンは6〜7回まで投げられるくらいに馬力は増した。しかし、スタミナ面が改善されたことによって、かえって替え時が難しくなった感も否めない。そのため、今後は投手コーチ含めて交代のタイミングを見計らいつつ、高いパフォーマンスを保たせることが鍵である。
また新外国人のサンチェスは、離脱前まで表ローテに相応しい投球を見せていたため、早期復帰が望まれる。田口、畠が一軍に上がったことにより、ここにサンチェスが復帰したら昨シーズン以上のローテーションが見込める。
その他の先発陣は、2017年のシーズンで新人ながらも高い奪三振率を見せていた畠世周も復帰し、今後もローテーションの一角としての活躍が期待できる投球を見せた。現状は、桜井俊貴や高橋優貴といった昨シーズンローテにいた投手陣を谷間に置けるほど、先発陣の層の厚さがある。
上記のローテの力もあり、先発陣の防御率は12球団1位を記録しており、怪我人はもちろんのこと打撃陣の不調もカバーしている。昨シーズンの勝ち頭であり、投手三冠に輝いた山口俊が抜けた穴もしっかり埋まっていると言える。
続いて、リリーフ陣を見ていく。核となるデラロサの離脱があり、昨シーズン中継ぎとして活躍した実績組の大竹寛や新加入の高梨雄平、若手の大江竜聖、育成から這い上がった田中豊樹などがカバーする形となっている救援陣だが、運用方法に課題を残している。
開幕当初は澤村拓一の起用法に問題があったが、その影響もあり不調になり、高木京介や昇格した大江は登板過多になっている。さらに、田中豊樹も1軍に上がる前、既に2軍で登板過多になっているため、6月と比較したらパフォーマンスが落ちる試合も増えている。
この改善方法としては、点差がついている試合で勝ちパターンクラスの投手を投入するのではなく、堀岡隼人や宮國椋丞といった投手陣でイニングを埋めていくことがあげられる。
また、ある程度ゲーム差に余裕が生まれていることも踏まえて、澤村を一回2軍に落として再調整させることや、好調な藤岡貴裕や古川侑利などを昇格させた上で登板過多になっている投手を休ませることもひとつの手だ。
救援陣の運用は、現在のゲーム差と今後の過密日程も考慮する必要がある。1軍内での運用はもちろん、2軍上位クラスの投手陣も含めて上手く回していくことによって、優勝により近づくのは間違いない。
株式会社光文社Copyright (C) Kobunsha Co., Ltd. All Rights Reserved.