ゴジキが振り返る2020年シーズン・巨人の開幕カード(後編)
お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

ryomiyagi

2020/06/23

6月19日からついに開幕したプロ野球。首を長くして待っていたファンの方も多いのではないでしょうか。
お股クラスタの一人、ゴジキ氏(@godziki_55)に巨人対阪神の開幕3連戦を巨人ファンの視点から振り返ってもらいました。

 

 

令和の巨人を象徴する選手へ。岡本和真の覚醒

 

今シーズンも主砲として期待される岡本和真は、昨シーズンのCSから非常にキレがあるスイングができている。今年もキャンプから身体が絞れていることもあり、オープン戦は非常に高いパフォーマンスを残した。緊急事態宣言解除後の実戦形式序盤では、試合勘が鈍っていたこともあり調子は下がっていたが、開幕1週間前からは打撃の形が戻ってきていた。

 

※僭越ながらキャンプで身体が絞れていることを確認した際にゴジキ氏はこう言っていた

 

 

そして、開幕2戦目で2本のタイムリーを放ち、3戦目では逆転ホームランをライトスタンドに放った。

 

この打撃が継続できれば、タイトル争いをするレベルになっていくに違いない。また、「打点を生み出す力」も光った。具体的には2戦目の終盤、ライト前へのタイムリーである。このように場面に応じた打撃ができると、中田翔やアレックス・ラミレスといった選手のように、要所でチームを勝利に結びつける打点を生み出せる打者になれるだろう。

 

※岡本和真の3戦目逆転ホームラン

 

 

丸佳浩の調子は上がるのか?

 

開幕3戦目にして初ヒットが出た丸佳浩だが、まだ本調子ではないだろう。オープン戦や実戦形式の時のヘラルド・パーラと同様に、打球が上がってこないことが懸念材料だ。ただ、丸ぐらい実績がある打者は様子見で実戦を積むことによって調子は上がっていくと見ている。
チームの顔である坂本勇人、丸、岡本の並びはリーグトップクラスであり、他球団からすれば非常に脅威である。彼らがどれだけプレッシャーをかけられるかは、今シーズンも鍵になっていくだろう。

 

先発として復活を遂げた田口麗斗

 

2戦目の先発をした田口麗斗は平均球速141.7km/hを記録した。不調に陥った2018年はこの水準以下の球速だったため、打ち込まれる場面が多々あった。

 

今シーズンの田口は、かつての杉内俊也、和田毅、成瀬善久のように140〜142km/hぐらいの球速で、手元で「ピュッ」とくる感覚のストレートを投げられていることが調子のパロメーターになりそうだ。ストレートが来ていることによって、スライダーやチェンジアップなどの変化球も活きてくるだろう。

 

懸念材料としては、今シーズンのボールが飛びすぎることや、この類のストレートは多少甘くなっただけでも2戦目の原口文仁に打たれたように被弾される可能性もあり得ることだ。

 

しかし、水準以上の球速(140〜142km/h)を投げられていれば、2016〜2017年のパフォーマンスは残せると見ている。

 

※僭越ながらゴジキ氏は実戦形式からこう仰っていた

 

 

懸念材料はリリーフ陣の起用法

 

開幕カードを見た上で、懸念材料をあげるとするならばリリーフ陣の起用法だろう。

 

特に、澤村拓一の優先度の低さには驚きを隠せなかった。今シーズンも投げているボールの質はクローザーを任せても良いレベルに違いないが、点差が開いた場面や6回で登板させる起用法はいただけなかった。
今後は、7回に澤村、8回中川皓太、9回にルビー・デラロサを「勝ちパターン」として早めに確立していくことが必要である。

 

※素晴らしい投球を見せた澤村拓一

 

 

また、鍵谷陽平や高木京介と言った好調の投手もビハインド時や接戦の場面で起用していくことによって、勝率は上がるだろう。

 

さらに、2軍には調子を上げていた高田萌生やルーキー太田龍、昨シーズンワンポイントやピンチでの登板時に好投を見せた戸根千明などが控えている。

 

数々の懸念材料があるのは事実だが、開幕カード3連勝を記録して波に乗る巨人のリーグ2連覇をいちファンとして期待したい。

お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

お股ニキ(@omatacom)(おまたにき)

野球経験は中学の部活動(しかも途中で退部)までだが、様々なデータ分析と膨大な量の試合を観る中で磨き上げた感性を基に、選手のプレーや監督の采配に関してTwitterでコメントし続けたところ、25,000人以上のスポーツ好きにフォローされる人気アカウントとなる。 プロ選手にアドバイスすることもあり、中でもTwitterで知り合ったダルビッシュ有選手に教えた魔球「お股ツーシーム」は多くのスポーツ紙やヤフーニュースなどで取り上げられ、大きな話題となった。初の著書『セイバーメトリクスの落とし穴』がバカ売れ中。大のサッカー好きでもある。
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セイバーメトリクスの落とし穴マネー・ボールを超える野球論

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