ryomiyagi
2020/07/03
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2020/07/03
6月30日時点で、巨人の先発投手は最長でも開幕戦の菅野智之が記録した、7回までしか投げ切れていない。そのため、救援陣に対する負担が非常にかかるシーズンとなっている。
菅野はもちろんのこと、田口麗斗のような先発の軸となる投手を筆頭に、点差が開いた試合で先発陣が短くても7回まで投げることが今後のポイントになるだろう。
ただ、戸郷翔征は高卒2年目ということもあり、先発ローテーションで回しつつも大事に育てていきたい選手だ。
救援陣の運用は、勝ちパターンなどの明確な役割を設けることが早急に必要だろう。それによって高木京介や中川皓太、澤村拓一といった登板過多の投手の負担も軽減され、長丁場でありながら過密日程の今シーズンを乗り越えるための鍵になるのは違いない。
また、救援陣のコマ不足が戦い方に少なからず影響しているので、昨シーズン勝ちパターンやビハインド時に活躍した大竹寛や戸根千明と言った実績組はもちろんのこと、今シーズン状態がいい宮國椋丞や、新しい力として実戦形式で調子が上がっている高田萌生、ルーキーの太田龍などの活躍を期待していきたい。
稀に見るイレギュラーなシーズンのため、シーズン序盤・中盤・終盤それぞれで臨機応変な起用法ができるかどうか注目だ。
今シーズンの野手陣の目玉はなんと言っても岡本和真だ。オープン戦から非常にコンディションが良い状態をキープし、開幕を迎えられている。
これまでのシーズンとはうって変わり、チームが一点欲しい場面でホームランを放つのはもちろんのこと、チャンスの場面では軽打でタイムリーを放つなど「4番」らしい活躍を見せている。「クラッチ力」も身についたことによって、ワンランク上のレベルに達していることは間違いなく、誰もが認める「4番」になれたのではないだろうか。
また、今シーズンは飛ぶボールの恩恵もあり、余裕を持ってボールを待つことができ、コンタクト力が向上しつつ、センターから右方向への長打が増えている。これも今後継続してほしい部分である。
昨年のCSから非常にいい打撃をしている岡本だが、今シーズンは初の打撃タイトル獲得はもちろんのこと、リーグ優勝を果たせばシーズンMVPも夢ではないだろう。
巨人の「4番・三塁手」といえば花形であり、長嶋茂雄や現監督の原辰徳など、生え抜きスター選手が代々引き継がれていた。そのような中で「令和を代表する巨人の4番」として成長する岡本和真の名前が巨人の歴史に残ることは間違いない。
捕手陣の軸である小林誠司が離脱した影響で、大城卓三と炭谷銀次朗の出番は必然的に多くなる。新型コロナウィルスの微陽性の疑いで出遅れ、開幕直前に思うような調整ができなかった大城からすると、チャンスである反面、試練でもあるだろう。
特に広島とのカードでは、バントミスやフリーパスのようにランナーに盗塁を許す場面が見受けられた。開幕直前に実戦を経験できなかったことによる、試合勘の無さを露呈した形だ。打力は充分なだけに、試合勘を取り戻すと共に、プレッシャーがかかる場面やランナーを置いた場面でのプレーの向上が今後の課題だ。
また、炭谷の起用法は非常に重要である。若手投手陣を上手くフォローしていく役割であると同時に、守備面では小林の穴を埋めていくことも期待される。
トップクラスの守備力を誇る小林の離脱によって、守備面での要は不在となった。小林の復帰までにこの両捕手にプラスアルファして岸田行倫と言った第三の捕手が一軍の場に上がり、期待に応えられるかどうかが鍵になっていくに違いない。
開幕から10試合経過(6/30終了時点)し、首位で6月を終えた巨人だが、終盤力の高さは随所で見られた。
特に、7回以降に得点を挙げた試合は既に7試合ある。終盤の得点力や12球団トップクラスの得点圏打率.383(6/30時点)という数字の高さは、2014年を彷彿とさせる「試合巧者」ならではの試合運びを見せている。
丸佳浩の復調や中継ぎ陣の起用法の安定はもちろんのこと、終盤に出てくる代打や代走の切り札によるプレーの成功確率を高めていくことにより、第二次原政権のような、ビハインドの場面でも相手にプレッシャーをかけられる強さがさらに増していくだろう。
また、今年のような同一リーグのみのシーズンの戦い方も原氏だけ経験している(第一次政権2002年〜2003年)ことも今後活かされていくに違いない。
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