BW_machida
2020/08/08
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2020/08/08
開幕直後こそ結果の出ていた昨シーズンMVPの坂本勇人だが、調整不足の影響からか7月に不振に陥った。その中でチームが7月も首位で終えることができた要因としては、要所でクラッチ力や一発がある岡本和真を中心に、得点圏での勝負強さを持つ丸佳浩や大城卓三をはじめとした他の選手がカバー出来たことが大きい。
7月の岡本は、全体的な打撃の調子は下がったが、試合終盤にランナーを置いた要所で一発やタイムリーが出ていた。しかし、この選手に求められる成績はさらに上のレベルである。
開幕当初不調だった丸は、7月中旬ぐらいから調子を上げていき、月間打率.301 7本 21打点 OPS1.053を記録した。得点圏打率も.409を記録し、月間打点数21という数字で坂本や岡本の不振をカバーすることができた。丸の調子のひとつのバロメーターである出塁率も上がってきており、復調の兆しが見えている。
また、小林誠司が怪我で離脱している中、スタメンでの出場が増えた大城は7月の月間成績が打率.333 4本 9打点 OPS.942と活躍した。特に試合序盤の成績も良く、先制打を記録する場面が多々あった。課題としては要所でのリードを含めたディフェンス面だが、小林や炭谷銀次朗と言った別のタイプの捕手から吸収していくことや、実践を通して場数を増やしていくことによる能力向上に期待したい。
新加入のゼラス・ウィーラーも自身にとっての「ちょうどいい球」を打つことによって徐々に調子を上げていき、7月は打率.302 4本 16打点 OPS.949を記録した。昨シーズンと比較して打線全体の火力不足は否めない状況のため、さらなる長打力アップが求められるだろう。高い守備力ではないもののユーティリティ性があるので、スタメンに施策を行うためのバリエーションが増えたのは間違いない。
新外国人のジェラルド・パーラは7月に打率.313を記録したものの、本塁打は0に終わった。6月のような長打を含めた打撃をすることによって、打線に厚みが増す。
パーラ自身の調子もだが、坂本や丸の調子も考慮した上で、2番打者としての起用も試していいのではないだろうか。
正直モタに2番打たせるならパーラに何回か2番打たせてほしいな
今年は五輪関係で坂本への配慮もあることやタイプ的にもなおさら試す価値はあるのでは— ゴジキ (@godziki_55) February 24, 2020
8月以降は、パーラや亀井善行、陽岱鋼はもちろんのこと、打撃の調子を考慮した上で、重信慎之介の起用も鍵になっていくだろう。
また、「左投手相手なら代打は石川慎吾」といった起用が常にあったが、このあたりも実力や調子を重視した上で、陽や中島裕之といった選手を最優先で起用していくことがベターだろう。
6月に引き続き、7月も原辰徳監督の勝利への嗅覚は鋭かった。開幕一軍を勝ち取りプロ初タイムリーを放った北村拓己は、DeNAの今永昇太や広島のクリス・ジョンソンからタイムリーを放つなど成長を見せ勝利に貢献した。
同じく二塁手の吉川尚輝は、開幕当初から打撃の調子は上がらなかったものの、7月下旬からは長打が増えていき、光が見えてきた。二塁手はこの2選手+aで湯浅大などの選手を切磋琢磨させて相互に高めあっていくのが良いだろう。
また、走塁の切り札である増田大輝も「終盤力」を大いに支えた。今シーズンは盗塁失敗がわずか1回だけであり、試合終盤に代走として出場することによって、相手球団にプレッシャーをかけられている。
増田の場合は、スタメンで輝くというよりも、かつての鈴木尚広のように終盤の勝負どころで持ち前の走力や判断力を活かして得点を掴み取る選手だろう。
それを象徴した試合が、7月19日のDeNA戦だ。最終回、丸の内野安打の際に2塁からホームまで帰る神がかり的な走塁を見せた。
増田大輝、打力は厳しい部分あるが先週ぐらいにセンターもやってたみたいだし内外野でセンターライン守れて足も使えるなら試合終盤でかなり使えるかもな
走塁技術は若干落とした分、内外野できる鈴木尚広みたいな感じで— ゴジキ (@godziki_55) June 6, 2020
今後もこのような走塁をしてほしい。守備面でも内外野マルチにこなせる選手なので、原巨人特有の「終盤力」の原動力になっていくのは違いない。
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