ゴジキが選出する2010年代の巨人軍ベストナイン
お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

ryomiyagi

2020/06/03

新型コロナウイルスの影響で、開幕の見通しが立たないプロ野球でしたが、ついに6月19日に開幕が決定!
巨人軍プレイバック企画の総まとめとして、お股クラスタの一人、ゴジキ氏(@godziki_55)に2010年代の巨人軍ベストナインを選出してもらいました。

 

 

阿部慎之助・坂本勇人が中心となった2010年代は4度のリーグ制覇

 

2010年代の巨人といえば2012〜2014年の3連覇を含む4度のリーグ優勝があったが(4回目は2019年)、特筆すべきは2012年だろう。2010年代においてセリーグで唯一の日本一を果たしただけでなく、交流戦、ペナントレース、クライマックスシリーズ、日本シリーズ、アジアシリーズの5冠に輝いた。

 

選手としては、やはり2010年代前半に全盛期を迎えた阿部慎之助捕手と、坂本勇人が光る。阿部は2010年に44本塁打、2012年はキャリアハイとなる打率.340 27本 104打点 OPS.994の成績で捕手としてのシーズン最高打率をはじめ、首位打者・打点王を獲得してシーズンMVPに輝き、チームを日本一に導いた。また、翌年の2013年のWBCでは4番を務めた。

 

坂本は、2010年に31本塁打、2012年に最多安打、2013〜2015年は守備面で大きく貢献した。また、2016年は打率.344を残して首位打者を獲得し、2019年も巨人の生え抜きの右打者では長嶋茂雄氏を越えて最多となるシーズン40本塁打という大台にも乗せてシーズンMVPに輝き、リーグ優勝に導いた。

 

2010年代の巨人を支えた両選手だが、昨年の阿部の引退試合をアベック本塁打で締めくくった展開は非常にドラマティックであった。

 

その他の野手陣では、長野久義が2010年に打率.280 19本 52打点 OPS.821の成績で新人王を獲得し、2011年には首位打者、2012年には最多安打のタイトルに輝いた。
また、2018年に台頭した若き主砲の岡本和真はこの年打率.308 33本 100打点 OPS.935の成績で、最年少でシーズン3割30本100打点を達成。2019年も31本塁打を記録し、巨人の右打者では生え抜きで現監督である原辰徳以来の2年連続30本塁打を達成した。

 

投手陣に目を向けてみると、2008年に新人王に輝き、2016年まで9年連続60試合登板を含む貢献度の高さで救援陣を支えた山口鉄也を中心に、スコット・マシソンや2012年からクローザーを任された西村健太朗の3人を並べた勝ちパターンである通称「スコット鉄太朗」が確立された。また、2010年代前半は内海哲也が2011年と2012時に最多勝を獲得し、2012年は阿部と共に最優秀バッテリー賞を獲得する活躍を見せた。
さらに、2011年は澤村拓一が江夏豊以来のルーキーイヤーに200イニングを達成し、11勝11敗、174奪三振、防御率2.03で新人王に輝いた。

 

そして、2011年のドラフト指名拒否から1年間の浪人後に入団した菅野智之は、ルーキーイヤーの2013年に二桁勝利。2014年には開幕投手になり、最優秀防御率とシーズンMVPに輝き、リーグ優勝に導いた。2016年も最優秀防御率を獲得した。さらに、2017年は最多勝と最優秀防御率、2018年は最多勝、最優秀防御率、最多奪三振とリーグのタイトルを総なめした上で、2年連続で沢村賞を獲得。2010年代の球界全体を代表する投手といえるだろう。

 

巨人の2010年代ベストナインは?

 

まずは投手だが、2010年代前半までなら2011年、2012年に最多勝を獲得した内海が圧倒的であった。しかし、2年目の2014年から毎年のようにタイトル争いをしつつ、2017年と2018年に2年連続で沢村賞を獲得した菅野を選出。

 

捕手は、球団歴代最高捕手と言ってもいい阿部が圧倒的だろう。特に2012年は三冠王間近の成績を残し、統一球ながらも捕手最高打率を記録。巨人のみならず、球界屈指の捕手であることは間違いない。

 

一塁手には岡本を選出。定着したのは2018年であり、ほかの候補として2010年に3割30本を達成した小笠原がいるが、一塁手・三塁手・左翼手を守れるユーティリティ性も魅力的であり、10年代の一塁手で選出した。

 

二塁手は、守備の貢献度が高い片岡と、2010年に仁志敏久以来の巨人の二塁手として規定打席を達成したりセリーグ記録の15試合連続得点を記録した脇谷で悩んだが、坂本と鉄壁の二遊間を組んだ片岡を選出。キャリア晩年ながらあの守備範囲の広さ、加えて時には一発も出る打撃、高い走塁技術は非常に魅力的であった。

 

三塁手は村田を選出。こちらも小笠原と悩んだが、守備力の高さや2013年のセリーグ月間新記録となる46安打などの活躍の上で、村田を選んだ。

 

遊撃手は坂本一択だろう。2012年最多安打、2016年首位打者・最高出塁率、2019年MVPと言った個人タイトルはもちろんのこと、ベストナインやゴールデングラブも受賞し、攻守共に巨人のみならず球界屈指の遊撃手になったのは間違いない。

 

左翼手は、2010年に本塁打王、打点王を獲得したラミレスだろう。守備に難はあるが、打撃成績はもちろんのこと、4番としての得点圏打率以上に「打点を生み出す能力」は球界でも突出していた。

 

中堅手は、まだ1年のみの在籍だが、攻守に渡り安定感がある丸を選出した。巨人に入団し、坂本と岡本に挟まれながら及第点の成績を残し、守備面でも要所でチームを救い、優勝に大きく貢献した。

 

右翼手は、2019年の優勝に貢献した亀井善行も候補であったが、新人王や首位打者と言ったタイトルを獲得した長野だろう。2010年〜2012年まではタイトルを獲得し、2013年、2014年の優勝にも大きく貢献した。

 

以上が個人的に選ぶ2010年代巨人のベストナインである。
その他の選手では、左なら高橋由伸、右なら矢野謙次と言った代打の切り札や、流れを変える代走の切り札として鈴木尚広、巨人の救援陣を長年の間支えた山口鉄也を推していきたい。

 

【ゴジキが選ぶ2010年代巨人ベストナイン】

 

投手:菅野智之
捕手:阿部慎之助
一塁手:岡本和真
二塁手:片岡治大
三塁手:村田修一
遊撃手:坂本勇人
左翼手:ラミレス
中堅手:丸佳浩
右翼手:長野久義

お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

お股ニキ(@omatacom)(おまたにき)

野球経験は中学の部活動(しかも途中で退部)までだが、様々なデータ分析と膨大な量の試合を観る中で磨き上げた感性を基に、選手のプレーや監督の采配に関してTwitterでコメントし続けたところ、25,000人以上のスポーツ好きにフォローされる人気アカウントとなる。 プロ選手にアドバイスすることもあり、中でもTwitterで知り合ったダルビッシュ有選手に教えた魔球「お股ツーシーム」は多くのスポーツ紙やヤフーニュースなどで取り上げられ、大きな話題となった。初の著書『セイバーメトリクスの落とし穴』がバカ売れ中。大のサッカー好きでもある。
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