BW_machida
2020/08/21
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2020/08/21
史上初の大阪勢同士の決勝となったセンバツ大会
2017年のセンバツ大会は大阪桐蔭対履正社という大阪勢同士の対戦カードとなった。
この年あたりから大阪のレベルが顕著に抜けてきたことは間違いない。
履正社は、明治神宮大会覇者でありながら、接戦をものにする勝ち上がりを見せた。
初戦は櫻井周斗を擁する優勝候補の日大三だったが、先制点を許しながらも安田尚憲や若林将平が核となる強力打線が力を発揮。石田龍史のホームランなどで櫻井を攻略し、12対5で勝利する。
2回戦の呉戦は、1回戦とはうって変わり投手戦となった。初回に若林のタイムリーで援護点を貰った先発の竹田祐は、ゴロの山を築き、被安打2の完璧に近い投球を見せて準々決勝に導いた。
準々決勝の盛岡大付戦では、中盤に竹田のタイムリーなどで打線が畳み掛けて、5点をリードする展開に持ち込み、優位に進めた。また、竹田は投げる方でも6回までパーフェクトピッチングをするなど、2回戦と同様に素晴らしい投球を見せた。
準決勝の報徳学園戦では、安田が待望の甲子園初ホームランを放ち先制。報徳学園も意地を見せて長尾亮弥のタイムリーで勝ち越し、9回までリードを許す展開に。
追い込まれた履正社は9回、若林のタイムリーなどで一挙4点を奪い逆転に成功する。9回裏の報徳学園は小園海斗がこの試合4安打目となるタイムリーを放ち追い上げるが、最後は竹田が抑えて決勝に進出した。
一方の大阪桐蔭は、初戦の宇部鴻城戦は初回から根尾昂などのタイムリーで先制。さらには4回に山田健太のホームランで追加点を挙げて、大量リードを奪う。エースの徳山壮磨も7回まで無失点に抑え、香川麗爾、柿木蓮の完封リレーで勝利した。
2回戦の静岡戦は、初回から相手のエラーや根尾の犠牲フライなどで一挙6点を取るが、その裏に横川凱と香川が6点を奪われてすぐさま追いつかれる。ここでエース徳山がマウンドに。流れを断ち切りたかったが、2回に勝ち越し点、7回に追加点を許した。ところが、この展開でも大阪桐蔭は動じなかった。
2点ビハインドの8回に根尾がヒットで出塁すると、すぐさま山田がタイムリーを放ち一点差に追い上げる。さらに坂之下晴人のタイムリーで追いつき、代打の西島一波が勝ち越しスリーベースを放つ。
8回裏のマウンドには根尾があがり、ランナーを出すものの無失点に抑える。9回にも山本武蔵や山田のタイムリーで追加点を挙げて勝利をたしかなものに。最終回も根尾がきっちり抑え、乱打戦を制して準々決勝に進んだ。
準々決勝は、清宮幸太郎を擁する早稲田実業との乱打戦を制した東海大福岡との対戦になった。互いに2回戦の試合展開とはうって変わり、投手戦となった。
5回に泉口友汰が先制タイムリーを放ち均衡を破る。その後も、この大会ラッキーボーイ的な存在になりつつある山田や徳山のタイムリーで追加点を挙げる。
徳山は最後まで完投し、10奪三振2失点を記録するなどの投球を見せて準決勝進出を決めた。
準決勝の相手は3季連続ベスト4に進んでいる秀岳館。田浦文丸と川端健斗の左腕二枚看板が非常に強力なチームである。このセンバツ大会を通じて最もレベルの高い試合だっただろう。
徳山と田丸は互いに譲らず、5回まで0点に抑えていたが、均衡を破ったのは、大阪桐蔭だった。この大会当たりに当たっている山田がライト前に落ちるタイムリーで先制。さらには、8回にもレフトオーバーのタイムリーツーベースを放った。
徳山は8回裏に1点を失うものの、9回はギアを上げていき、しっかり抑えて決勝進出を決めた。
そして、大阪桐蔭対履正社の大阪勢同士の決勝。
初回から大阪桐蔭が履正社の竹田を攻め立てる。この大会不調だった藤原恭太が、先頭打者ホームランを放ち先制。また、2回にも坂之下晴人がホームランで追加点を挙げ、6回には藤原が2本目のホームランを放つ。履正社の方は8回に疲れが見え始めた徳山を攻略し、若林と浜内のタイムリーで同点に追いつく。
しかし、ここで意地を見せたのが大阪桐蔭だ。徳山の代打の西島が勝ち越しホームランを放ち勝ち越した。その後も根尾や中川卓也のタイムリーなどでさらに点差を広げた。
最後は根尾が抑えて2度目のセンバツ優勝を果たした。
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