ニキビ シミ しわ 吹き出物……大人の肌トラブルの特効薬は食べ物にあり!
友利 新『女医が教える食の処方箋』

本日は、大人の肌トラブルについての処方箋をお出しいたします。
化粧水など外側からのアプローチではなく、食の視点から自分を見直し、内側から“きれい”を作りましょう

 

 

◯なぜ、外食やファーストフードがよくないとされているのか?

 

「外食やファストフードが体や肌に悪い」という認識を持っている方は多いかと思います。忙しくて外食続きだったせいで肌が荒れてきた…なんて経験をお持ちの方もいるのでは?

 

しかし、「なぜ悪いのか?」の本当の理由をみなさんはご存知ですか? 最初のキーワードは2つ。食物添加物と人工甘味料です。それぞれの肌との関係性を順番に見ていきましょう。

 

◯食物添加物による真の肌リスク

 

食物添加物と聞くと「がんになる」などのイメージのほうが強いかもしれませんね。しかし、通常、食品に含まれている添加物は安全が確立されています。そもそも「どれくらいで発がん性があるか?」という基準値の100分の1程度しか食品に入れられないようになっているため、発がんに直結する確率は極めて低く、ほぼないと言っても過言ではないでしょう。

 

それよりも私たちが気にしなければならないのは、腸内細菌。じつは、食物添加物によって腸内細菌が荒らされ、肌荒れしてしまう人が一定数いることがわかっています。食物添加物の真のリスクはがんではなく、腸内細菌の乱れにあるのです。

 

例えば、ファストフードには添加物が多く入っているため、食べると腸内が荒らされます。ナゲットやポテトなど揚げ物でなくても、添加物入りのゼリーなどにも注意が必要ですし、外食で食べたものにも添加物が入っている可能性は大いにあります。もちろん、すべての人に当てはまるわけではありませんが、これらを摂りすぎることによって、腸内環境が荒らされ、結果的に肌トラブルにつながってしまうのです。

 

◯人工甘味料の摂りすぎにも注意

 

世の中には人工甘味料が入った食べ物が溢れています。人工甘味料は糖尿病のリスクにつながると考える方もいらっしゃいますが、どちらかというと気にするべきは腸内細菌。こちらも添加物同様、腸内が荒らされ、肌荒れが引き起こされます。

 

例えば、「肌の調子が悪いからビタミンを摂らなきゃ!」と市販のビタミン入り飲料を飲んだ場合、そこに人工甘味料や添加物が入っている可能性がゼロじゃありません。果汁100%と謳うフルーツジュースにも人工甘味料が入っている場合もあります。

 

よかれと思っても、している行動がじつはトラブルの元だったりするのです。甘い罠にはまらないためにも、きちんと成分表示をチェックすることをおすすめします。

 

◯ファストフードや外食のしすぎは腸内を荒らす

 

大人の肌荒れを防ぐためには、なるべく添加物や人工甘味料は摂らないようにする。さらに、この連載でお話してきたようにオメガ6の摂りすぎによってアレルギーが起こりやすかったり、体の不調の原因になったりすることもわかっています。

 

ファーストフードや市販や外食で食べるものには、オメガ6も多く含まれていますし、食物添加物や人工甘味料が入っている場合が多い。これらが肌や体に悪いと言われる真の理由はここにあります。

 

なるべく食べるのを避けてほしいところですが、一切食べないでくださいと止めるようなことはしません。無性にファストフードが食べたくなる気持ちもわかります。大切なのは「たまに食べる」に留めること。そして、食べたあとは、腸内を気遣ったヨーグルトやサプリを飲んで腸内環境を整えましょう。

 

私の場合、自分と相性のいい乳酸菌入りのサプリがわかっているので、外食のあとは積極的に飲むようにしています。「それ、知りたい!」と声が聞こえてきそうですが、こればっかりは人それぞれ。自分に合う乳酸菌というのはその人によりますので、自分に合う乳酸菌を探しておくのがベストです。以前、連載でお話した乳酸菌の処方箋を参考にしてみてください。

 

◯「甘いもの=ニキビができやすい」の真の理由

 

糖質を食べすぎたり、疲れていたりするとニキビができやすいことはみなさんも身を持って知っているかと思います。このニキビの原因は2つ。ひとつめは男性ホルモンによる過剰な皮脂分泌。もうひとつは、糖質を分解するときに使われるビタミン不足によるものです。

 

糖質を摂取すると脳が興奮し、男性ホルモンが分泌されます。男性ホルモンが優位になると、顔が油っぽくなって皮脂が詰まり、肌トラブルの原因に。これは、ストレスが溜まっても同じことが起こります。

 

口まわりに突然ニキビができた経験はありませんか? これは、男性ホルモン優位によるももので、男性のヒゲが生える場所にニキビができやすくなってしまうのです。

 

また、甘いものに代表される糖質の分解には、ビタミンB群が多く使われます。ビタミンB群は油を抑える作用があるのですが、糖質分解に使われてしまうと、顔からの皮脂分泌が過剰に…。結果的にニキビができやすくなってしまうというわけです。

 

「どうしても、甘いものが食べたい!」という方には、くだものを食べることをおすすめします。くだものにも糖質がありますが、同じ糖質でもビタミンも入っているものもありますし、腸内環境を整える食物繊維も入っています。とはいえ、糖質の過剰摂取には気をつけましょうね。

 

◯肌の乾燥対策にはオメガ3と水がいい

 

もうひとつ、代表的な肌トラブルとして挙げられるのは乾燥。食の視点からみると、乾燥を防ぐために重要なのはオメガ3とお水の摂取です。

 

オメガ3の摂取が少ないと、乾燥肌に傾き、痒みが出てしまうということがわかっています。オメガ3は細胞膜をしなやかにする機能があるため、ある程度肌のバリア機能をアップするのです。体の不調と取り除くためにもしっかりオメガ3をとることが重要です。詳しくはこれまでの連載にまとめているので、チェックしてみてくださいね。

 

もっと簡単に乾燥を防ぐ方法、それはお水をたくさん飲むことです。単純明快ですが、お水を飲むと顔の水分量が上がります。変な話、化粧水をばしゃばしゃと1日1本は使いきるよりも、お水をたくさん飲むほうが肌の水分量を保持できるのです。

 

最低でも1日に1リットル~1.5リットルくらいのお水を飲むと、水分量が上がっていきます。水だけではちょっと…という方はノンカフェインのお茶がおすすめ。また、中国古来のお茶・白茶は、飲めば肌をきれいにすると言われています。

 

外側からではなく、食を通して内側から“きれい”を作ることは、日々の心がけ次第でいくらでも改善させることができます。スキンケアも大切ですが、これを機会に“きれい”を食から見直してみてはいかがでしょうか?

女医が教える食の処方箋

友利 新(ともり あらた)

医師(内科・皮膚科) 琉球大学医学部 非常勤講師。沖縄県宮古島出身。 東京女子医科大学卒業。 同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。 現在、都内のクリニックに勤務の傍ら医師という立場から、美容と健康を医療として追求し、美しく生きるための啓蒙活動を雑誌・TV などで幅広く展開中。 また、2014 年の出産を機に、安心安全なベビースキンケア商品を欲し、「ベビー予防スキンケア」というコンセプトで自ら研究開発、商品化。そして起業し、医師、母、社長、と多忙な毎日を送っている。 2018年8月には、原材料の油にこだわり、化学調味料、酸味料、着色料、香料全て不使用のカレー「くせになるこだわりの スパイス&オイルカレー」 を開発。2019年4月には、化学調味料、香料、増粘剤不使用でオレイン酸とαーリノレン酸の含有率にこだわった「くせになるこだわりのオイルドレッシング」を開発。2004年第36回準ミス日本。 2016年第9回ベストマザー賞【経済部門】受賞。 子育て応援・ママ応援大使。三児の母。美と健康に関する著書も多数。 Instagram @aratatomori Twitter @ArataTomori アメブロ https://ameblo.jp/arata1107/ 公式You Tube「友利新 / 医師「内科・皮膚科」
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