• 天皇と儒教思想

    伝統はいかに創られたのか?

    小島毅(こじまつよし)

八世紀の日本で、律令制定や歴史編纂が行われたのは、中国を模倣したからだ。中国でそうしていたのは儒教思想によるものだった。つまり、「日本」も「天皇」も儒教を思想資源としていたといってよい。その後も儒教は、日本の政治文化にいろいろと作用してきた。八世紀以来太平洋戦争の敗戦まで、天皇が君主として連綿と存続しているのは事実だが、その内実は変容してきた。江戸時代末期から明治の初期、いわゆる幕末維新期には、天皇という存在の意味やそのありかたについて、従来とは異なる見解が提起され、それらが採用されて天皇制が変化している。そして、ここでも儒教が思想資源として大きく作用した。本書は、その諸相を取り上げていく。

目次

  • はじめに
  • 第一章 お田植えとご養蚕
  • 第二章 山稜
  • 第三章 祭祀
  • 第四章 皇統
  • 第五章
  • 第六章 元号
  • おわりに
  • 著者紹介

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