ryomiyagi
2022/10/12
数学が解明する強豪チーム「勝利の方程式」
ryomiyagi
2022/10/12
サッカーのあらゆる「数学的パターン」を発見・分析し、プレイと観戦に新たな視点を与える話題作。《サッカー本大賞2018優秀作品》、待望の文庫化!
●勝ち点はどうして3なのか?
●強豪チームと東京の鉄道網の共通点とは?
●メッシとロナウド、どちらが名選手?
●勝利にもっとも貢献している統計数字とは?
●数学者はブックメーカー(賭け屋)に勝てるか?
……その疑問、すべて「数学」で答えられます!
■サッカーマティクスとは?
理論だけのサッカーは退屈だ。サッカーが理論と実践の融合であるように、数学もまた実践によって磨かれる。数学的モデルでサッカーのプレイはさらに洗練されたものになるし、サッカーもまた数学の発展に役立つ。生物学者や社会学者とコラボしながら世界中で活躍する数学者が、自分の愛するサッカーと数学とを融合させて生み出した、サッカーのプレイと観戦をさらに面白くするアプローチ、それがサッカーマティクスだ。
■最も数学的なスポーツ、それがサッカー!
野球が「統計」のスポーツなら、サッカーは「パターン」のスポーツだ。攻撃の幾何学的構造、選手の流れ、ランダム性の支配するピッチ、1+1を3にも4にもするチームワーク……最先端の数学はまさにサッカーを記述するための言語なのだ。
■予測不能だから予測できることもある
90分の試合の中でいつゴールが生まれるかは完全にランダムだが、「完全なランダム」は一つの数学的パターンだ。その性質はすでに金融などの分野で活用されており、サッカーでも選手やチームの特色の発見や、リーグ戦の最終順位予想などに使える。一方、個々のゲームを左右する統計数字がある。たとえば、パス率(ボール支配1分間あたりのパスの本数)が多いほど得点が多い。また、プレッシングでは1人目は2.5秒以内に、2人目は5.5秒以内にトライしてボールを奪わなくてはならない。
■ほかの分野の知恵や最新技術も駆使!
森の地面に網目状のネットワークを構築して養分を輸送する「粘菌」は、東京近郊の地下鉄網にも酷似している。近年のバルサのフォーメーションも同じだ。特殊な幾何学パターンを動きの中で維持し、他のチームより効率よくボールを運んでいるのだ。実際、GPSやビデオ解析でパスの分布を調べてマッピングすれば一目瞭然だ。
■サッカーの見方が変わる!
数学はピッチの外でもさまざまな疑問に答えることができる!
●観客席でのチャントやウェーブはどうやって広がる?●スタジアムでの悲惨な群衆事故の原因は?●専門家と一般ファン、どっちの予測が優れている?●数学はギャンブルに役立つか?
デイヴィッド・サンプター
ロンドン生まれ、スコットランド育ちの数学者。マンチェスター大学で数学の博士号を取得。オックスフォード大学とケンブリッジ大学で研究職に就いた後、スウェーデンに移り、現在ウプサラ大学の応用数学の教授。世界各地で、伝書鳩の飛び方、拍手の伝染、アリや魚の群れの動きなどの生物学的・社会学的現象を数学的に分析する研究に携わる。本書『サッカーマティクス』は日本では「サッカー本大賞2018優秀作品」に選ばれた。ほかの著書に『数学者が検証! アルゴリズムはどれほど人を支配しているのか?』『世界を支配する人々だけが知っている10の方程式』がある。
千葉敏生 ちばとしお
翻訳家。早稲田大学理工学部数理科学科卒。訳書に、ワインバーガー『DARPA秘史』、ヒダルゴ『情報と秩序』、タレブ『反脆弱性』(共訳)、C&D・ハース『スイッチ!』『決定力!』、リヴィオ『神は数学者か?』、サンプター『数学者が検証! アルゴリズムはどれほど人を支配しているのか?』(共訳)ほか多数
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