• 労働者階級の反乱

    地べたから見た英国EU離脱

    ブレイディみかこ

全世界を驚かせた2016年6月の英国国民投票でのEU離脱派の勝利。海外では「下層に広がった醜い排外主義の現れ」とする報道が多かったが、英国国内では「1945年以来のピープル(労働者階級)の革命」と評す向きも多かった。世界で最初に産業革命を経験し、最初に労働運動が始まった国イギリス。そこでは労働者たちこそが民主主義を守ってきた。ブレグジットは、グローバル主義と緊縮財政により社会のアウトサイダーにされつつある彼らが投じた怒りの礫だったのだ――。
英国在住、「地べたからのリポート」を得意とするライター兼保育士が、労働者階級のど真ん中から、「いつまでも黙って我慢しない」彼らの現状とそのスピリットの源流を、生の声を交えながら伝える。

目次

  • まえがき
  • 第I部 地べたから見たブレグジットの「その後」
  • (1) ブレグジットとトランプ現象は本当に似ていたのか
  • (2) いま人々は、国民投票の結果を後悔しているのか
  • (3) 労働者たちが離脱を選んだ動機と労働党の復活はつながっている
  • (4) 排外主義を打破する政治
  • (5) ミクロレベルでの考察――離脱派家庭と残留派家庭はいま
  • 第II部 労働者階級とはどんな人たちなのか
  • (1) 40年後の『ハマータウンの野郎ども』
  • (2) 「ニュー・マイノリティ」の背景と政治意識
  • 第III部 英国労働者階級の100年――歴史の中に現在(いま)が見える
  • (1) 叛逆のはじまり(1910年―1939年)
  • (2) 1945年のスピリット(1939年―1951年)
  • (3) ワーキングクラス・ヒーローの時代(1951年―1969年)
  • (4) 受難と解体の時代(1970年―1990年)
  • (5) ブロークン・ブリテンと大緊縮時代(1990年―2017年)
  • あとがき
  • 著者紹介

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