akane
2018/09/19
世界を変えた「戦争の発明家たち」の光と闇
akane
2018/09/19
インターネット、GPS、ステルス機、Siri……多くのイノベーションを生み出した組織として、いまビジネス筋からも注目されるDARPA(国防高等技術計画局)。同局は1958年、宇宙開発でソ連に遅れをとっていた米国で、最先端科学技術を短期間に軍事に応用するための管理機関として国防総省内に設置されて以来、半世紀以上にわたり、大学や民間企業に膨大な研究支援を行ってきた。
人工衛星の発するビーコンを追跡するしくみは後のGPSへ、指揮統制システムを改善するための情報網は後のインターネットへ、核実験探知プログラムは国際的な地震観測ネットワークへと発展する。また、ベトナム戦争のゲリラ戦対策からはステルス機や無人機の原型などが誕生した一方、枯葉剤などの負の遺産も残した。近年では、クラウドソーシングやビッグデータ分析を活用したテロ予知なども手がけ(時にプライバシー侵害スキャンダルに発展した)、いまも軍事ロボットやハイテク義肢研究など、多くのプロジェクトが進行している。
世界情勢と国防政策のめまぐるしい変化に翻弄されながら驚異的成果を上げてきたDARPAの数奇な歴史を辿り、その実態に迫るノンフィクション。
Yahoo Newsワシントン支局長。シンクタンク「ウィルソン・センター」グローバル・フェロー。国防や諜報を専門とするジャーナリストとして、ネットメディアのThe Intercept、Foreign Policyで要職を務めたほか、Nature、BBC.com、Slate、Wiredなどへの寄稿、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、ジョンズ・ホプキンス大学などでの講義の経験もある。著書に、国防総省のニセ科学プロジェクトに関するImaginary Weapons: A Journey Through the Pentagon’s Scientific Underworldがある。
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