akane
2019/05/01
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2019/05/01
モカさんは、経営する女装バー「女の子クラブ」のお客さんや、友人、知人を相手に、無償のお悩み相談を始め、少しずつ対象範囲を広げていった。
専門サイト「モカのお悩み相談」(http://nayami.uni-web.jp/)も立ち上げた。自由に悩みを書き込める形式だ。
さらに、リアルでの出会いを生かすために、紙で「モカのお悩み相談カード」を作った。これまでに数百枚を用意し、配ったり、立ち寄り先に置くなどしている。
このカードには次のように記した。サイトの文言とも一緒だ。
「お悩み相談受けています
いつでもご連絡ください。悩んでいることがありましたら
どうかこのカードを思い出してください。
わたしは十二階のマンションの屋上から
飛び降り自殺行為を行い
車の上に落ち死なずに助かりました。
あなたの気持ちが少しでも分かるかも
しれません。お話したいです。
いつでもあなたの連絡をまっています」
モカさんは、カードに込めた熱い思いを語る。
「『もう消えてなくなりたい』『生きていく限界にきている』と打ち明けてくる人がたくさんいます。一度、飛び降りまで追い込まれた私だからこそ、そんな気持ちに寄り添えるかもしれない」
「自分の経験を振り返ってみても、1人でいる、孤独になるのが一番いけません。
誰かに話せれば、ぐっと気持ちは楽になる。でも、家族や親戚などの近い人だと、迷惑をかけてしまうかもと思って言い出しにくいかもしれない。友人や知人だと、今度はプライドが邪魔をするかもしれません。
私のような相手だからこそ、話せる場合があるのだと考えます」
*
以上、『12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと』(モカ、高野真吾著、光文社新書刊)から抜粋・引用して構成しました。
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