akane
2019/05/29
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2019/05/29
ニンニクのもつ抗がん作用は、とくに「アリシン」という成分にあります。抗酸化作用に長けたこの成分が、活性酸素を中和し、がん細胞の発生を抑えるとされます。
ニンニクには、特有のにおいがあります。あのにおいのもとがアリシンです。アリシンは、切ったりすりおろしたりすることで生じます。ですから、夕食時には、小さなおろし器とニンニクを食卓にぜひおきましょう。そして、食べる直前にニンニクをおろし、家族でわけあって料理にちょっとそえて食べれば、アリシンを損なわずに摂取できます。
私は刺身やステーキにのせたり、味噌汁や納豆に入れたりして食べます。ただ、これを朝食にやってしまうと、においが大変なので、夕食がベストタイミングでしょう。
一方、ニンニクは加熱すると、アリシンは失われますが、別の健康成分がつくられます。アホエンやメチルアリルトリスルフィドなどです。アホエンには抗がん作用があります。メチルアリルトリスルフィドには、血小板が固まるのを抑える作用があり、血液をサラサラにして血栓ができるのを防ぎます。
また、ニンニクを油につけると、アリシンはジアリルトリスルフィドという成分に変化します。この成分は、がん細胞の増殖を抑えるとともに、がん細胞を壊す作用があると注目されています。
ニンニクを長期熟成させれば、さらに違った健康成分が出てきます。S‐アリルシステインです。免疫を増強し、血流をよくする作用をもつこの成分は、がんの増殖を抑える作用も期待できます。がん予防にぜひ摂取したい成分です。しかも、糖と脂質を燃焼しやすくする働きももちます。熟成させてつくる黒ニンニクはダイエット効果も高い一品です。
がん予防に常備したいのは、ガーリックオイルです。だいたい六月から八月になると、旬を迎えたニンニクは出荷量が増え、価格が下がります。ですから、ガーリックオイルづくりは夏がおすすめ。この時期にたくさん購入したら皮をむいてみじん切りにし、熱湯消毒した保存用のビンに入れます。そこに、ひたひたになるまでオリーブオイルを加えます。
直射日光の当たらない冷暗所で保存すれば、約一カ月は使えます。わが家ではこのガーリックオイルを加熱調理に活用します。みじん切りは、フードプロセッサーを使うと簡単です。
なお、ニンニクの適量は一日約四グラム。すり下ろしたり焼いたりなどで、だいたい一人分で一かけを毎日食べておくと、がん予防を期待できるでしょう。
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