“星読み係”のyuji氏がナビゲートする“ニューアース”の歩き方①
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ryomiyagi

2020/11/02

星読み好きにとって“must people”である、ヒーラーにして“星読み係”のyuji氏。新進気鋭の星読み師である彼が12星座に焦点を絞って記した初の著書『星 2.0』を上梓した。発売後即大重版された話題の一冊を、星好きライターが読んで感じたこと、本からインスパイアされたいろいろを「読書体験記&描き下ろしの絵」という形で、数回にわたってお届けします。

 

「夜に光る星々ように」

 

Day1「人はなぜ生きるのか?」

 

 10月のある日の午前中、本が届く。その足ですぐに本を取り出し、しばし眺めた。黒の中に金色の文字で『星2.0』。星2.0って? パっと思ったのは「星のOSを2.0にバージョンアップしましょう」みたいな感じ。はたしてその真意はどうしたものだろう、と「はじめに」を読むことにした。が、「はじめに」の冒頭は第一行「人はなぜ生きるのか?」との問いかけにフリーズ。そのまま読み進められず、本を開いたまま脳内が哲学し始める。けれどもちろん、「なぜ生きる」の答えなど即座に出ない。というか、これまでの40年近く、それこそ子どもの頃からそのことがずっと気になっている。大人になったら正解を手にできるだろうと楽観していたが、二十歳になっても三十路になってもアラフォーからアラフィフの途上にある今もまだ、その問いへの正解を手にできていない。だけど、抽象だった「生きる」も、何十年と“経験”を重ねることで、自分なりにその実体をつかめてきたような感覚はある。きっと、生きることに「正しいも間違いもない」。もし間違いがあるのだとしたらそれは、自分らしく生きることを諦め、ロボットのように、あるいはシモベのように誰かや何かの言いなりに生きることかもしれない、と思うようになった。

 

 壮大な問いかけからスタートする『星2.0』は、星を知ることで、個々人が、その人なりの「答え」「応え」を得られるようデザインされた本なのかもしれない。たった4ページの「はじめに」にふれるだけで、“人生を変えることになる旅”に出発するような昂揚感が内側に広がったのだもの。未知を行く気分のまま、つづけて「この本について」「黄道十二星座」「西洋占星術とは何か」を読む。それは、12星座について書かれた“本文”の序章のような部分なのだろうが、大事なことだけギュッと詰めた「濃さ」に、ちょっとクラクラ。今日はもう、ここまでの話を自分なりに咀嚼することにして、先を読み進めるのはやめよう。そう思って、本をパタンと閉じた『星2.0』体験初日。ちなみに、個人的に好きだなあ、と思ったのは、yujiさんの星へのこのスタンス。

 

【(星は)何もジャッジしない、何も否定しない、ただそこに在るだけ。星はまたその時代時代に合わせた解釈をされることを許す懐の深いもの】(P32より)

 
 星について語られたものはそれこそ星の数ほどあるだろうが、こんな“星観”を目にしたのは初めてだと思う。このような感情(?)で星を見ているのか! 星を愛したこの方はきっと、星に愛されているのに違いない。

 

 
 

星 2.0』光文社 
yuji /著

 

文・絵/野村浩平 友人の“遊びの鑑定”を受けたことにより星に興味を持つ。2018年に占星術の基礎講座を受講し、以後マイペースに独学中。太陽星座はふたご座。星のことや身辺雑記を綴るブログ「leeの話

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