ryomiyagi
2021/03/23
ryomiyagi
2021/03/23
当連載は、取り上げる星座の順番をまったく考えずスタートし、行き当たりばったりで今日に至った。そろそろ終わりが見えてきた10星座目の今回は乙女座をチョイス。
乙女座の強い方にケンカを売るつもりはないけれど、私はどうも乙女座が苦手である。というか、これまでの人生において、強烈に自分を揺さぶってきた人の中に乙女座の割合が高いことに、星に興味を持つようになり気がついたのだった。あ、あの人も、わ、この人も乙女座じゃないか!と(15年来のパートナーも乙女座)。
ちなみに、生まれたときの出生地、出生時間で決まる「MC」なる“社会的キャリアの到達点”を示すポイント(10番目にあるハウス)は乙女座にある。それらが示すのは、苦手な人たちは、私の社会的な到達点のための「苦手部分強化」を担うべく登場してくれたではないか、ということ。
そんな視点で『星2.0』は乙女座を読むと、漠然としていた“苦手の要素”や、自分が意識して取り組みたいエネルギーがクリアーになった。
【「この世は美しく、クリーンな世界です」 現実的にはそうではなくても、「そう言いたい」のが乙女座の人たちではないでしょうか。】(P170)
乙女座ページの冒頭に書かれたこの一文を読んで、のっけから自分が目指すべき在り方がすとんと腑に落ちた。
これまでは乙女座というと、「きっちり仕事をこなす」とか「細かく丁寧にことを行う」みたいな、どこか実務的で、現実的要素の強いイメージがあった。そしてそれは、海王星という夢見の星がライジングしている(生まれた時間の東の地平線軸と重なっている)自分には、少し窮屈で、それこそ夢がないように感じていた。けれどそれは、乙女座への偏見というか、ミクロすぎる乙女座観だったのだな。
思えば、私の苦手だった人たち(その後、克服したので過去形に)が携え、掲げていたのはまさに上記のメッセージだったと思う。「この世は美しく、クリーンな世界です」。その「あるべきはずの美しい世界」にそぐわない現状を彼らは「おかしい!」と言い、その不具合、不調和を現実的な行動で示していたのであった。けれど当時の自分には、そうしたヴィジョンは見えておらず、「今ここを楽しもうじゃないか」という双子座には、重たく、厳しく思え、自由なる羽を縛られるような感覚があった。
【成長の伸び代がふんだんにある人、ダイヤの原石だと思える人に出会ったならば、しっかりと内助の功もまた、プロデューサー役もマネージャーも全てをこなし、世に通用するいっぱしの人になるまで磨き上げることも苦とは思わないでしょう。】(P189)
お世話になってきた乙女座の人たちを何度も思い出しながら本書を読み、思った。もしこの人生に乙女座さんたちが深く関わってくれていなかったら、今の自分はないだろうな、と。
今の自分がどうかはひとまず、乙女座レッスンを受けたことで乙女座的な視点を意識することとなり、その体感? が社会人としてのひとつの自信になっていると思う。
苦手な人から逃げることは時に必要だけれど、もしもたびたび似たような人を引き寄せる場合、そこには自分の学ぶべきものがあるのかもしれない。そのことに気がつき、苦手な人との時間に得るものを先に知っていたとするならば、その時間の意味は我慢ではなく「修練タイム」と書き変わるのではないだろうか? そんな風に自分以外の星座も読んで知り、ぜひ人生に活用したい。
個人的なことだが、今回の星座はこれまで読んできた星座とはどこか違った。「わかる」というよりも「わかりたい!」と“未来”を感じるものであった。
ひとつ屋根の下に暮らすパートナーには今も時折、“ふわふわの羽”にピシっと喝を入れられている。その喝はきっと、未来の自分のための愛の喝なのだろう。
『星 2.0』光文社
yuji /著
文・絵/野村浩平 友人の“遊びの鑑定”を受けたことにより星に興味を持つ。2018年に占星術の基礎講座を受講し、以後マイペースに独学中。太陽星座はふたご座。星のことや身辺雑記を綴るブログ「leeの話」
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