「インスリン治療はやめられる」糖尿病こんな医者にはかかるな3つの特徴
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ryomiyagi

2021/07/05

 

平成9年度に行われた「糖尿病実態調査」(厚生省)によれば、糖尿病が強く疑われる人は690万人、可能性を否定できない人を含めると1,370万人と推計されている。これは、およそ日本人の10人に一人が糖尿病を患いかねない状況にあるという恐るべき数字だ。
さらにその死亡率は、人口10万人に対して全国平均で10人(男性6.7人、女性3.3人)と、男性で第12位、女性で第10位の疾患(「都道府県別年齢調整死亡率」厚生労働省2010年)である。

 

「メタボリックシンドローム」と声高に言われた時代があったが、肥満・高血圧・痛風などと同時に生活習慣病と定義された糖尿病は、慢性的な運動不足と飽食に慣れた現代日本人にとってもはや他人ごとでは無い疾病の一つである。
「そろそろ気遣わなければいけない歳になった」と思っていたところに、『糖尿病の真実』(光文社新書)と出会った。「糖尿病」と言えば、「罹ったが最後治らない病気」とされ、ましてやインスリンを自己注射するに至っては「お前、終わったな」などと言われたりする。
しかし、長年糖尿病と戦ってきた日本糖質制限医療推進協会提携医・水野雅登医師によれば、「インスリン治療はやめられる」し、もっと言えばやめた方が良く、間違っても、「通いやすい」などの安直な理由で近所の病院を選んでいては、本当の意味で「お前、終わったな」状態にされてしまうらしい。

 

かつては、ひとたび治療を任せた以上は担当医師を替えるなど、よほどの事情がない限り許されることではなかったが、今やそんな風潮も影を潜めて「セカンドオピニオン」なる権利を比較的容易に行使することができるようになっている。しかし問題は、いかにして担当医の適性を見抜くかだろう。
そんな医師の見分け方を、日本糖質制限医療推進協会提携医に名を連ねる著者が分かりやすく教えてくれる。

 

かからない方がいい医師の特徴(1)――標準治療・絶対厳守派の医師
ほとんどの医師がこの条件に当てはまってしまいますが、まずは「標準治療・絶対厳守派」の医師があげられます。このタイプの医師は、日本糖尿病学会の決める「糖尿病診療ガイドライン」を遵守し、それ以外のすべての治療法や対策を否定します。(中略)
糖尿病診療ガイドライン2019
この学会公式サイトの下部には、製薬会社のロゴが並んでいます。「スポンサーですよ」「学会に資金を提供していますよ」ということが伝わってきて、学会がどういう仕組みになっているかの一端が、ここから垣間見えます。(中略)
これらを読めばわかりますが、「診断」や「薬物療法」や「合併症」についての内容が大半を占めています。先の通り、「薬の減らし方・やめ方」とか「インスリンの減らし方・やめ方」という話は一切、出てきません。

 

「あそこに行ったら最後、薬漬けにされて退院させてくれない」などと囁かれる病院の話を耳にすることがある。
当然、そんな噂のある病院は可能な限り避けるのだが、それでも素人の噂話ではなく、それ以上の見分け方があるとしたら、是非参考にするべきではないだろうか。

 

かからない方がいい医師の特徴(2)――やたら「完治させた」と言う
糖尿病は、よく「一生付き合っていく病気」といわれますが、その一方で「完治した!」といった話も時折耳にすることがあります。本当に完治するとしたら、とても希望が持てます。しかし、実際には、完治する場合は非常に限られます。(中略)
こういった状況ですので、「どんな状態でも完治する!」といった触れ込みには、注意が必要です。糖尿病の完治は、軽症例だけです。まともな医師であれば、「糖尿病は必ず治る」とか「完治する」とは言わないものです。

 

近年「薬機法(旧薬事法)」が改正され、医薬品や健康食品についての(効果)表記などが厳しく規制されているが、それでもまだ、この手の広告にはグレーゾーンが多々見受けられる。それでも、自らに選択肢のある薬ならばまだしも、医師自身に自らを「名医」と名乗られてしまえば、見分けるすべを持たない素人には手も足も出ない。
しかし、そんな医師の口から出る文言に見分けるキーワードがあるようだ。

 

かからない方がいい医師の特徴(3)――「糖負荷試験」が好きな医師
私が「糖負荷試験は、必要性がほぼない」と言うと、よく驚かれます。糖尿病の有無を調べる代表的な検査だから、多くの人が受けたことがあるからでしょう。
糖負荷試験は、ブドウ糖を摂取して、その後の血糖値を測りますが、これは「1日3食、糖質をたっぷりとっている」のが前提の検査です。日ごろから糖質を控えている場合、インスリンの分泌量が減るため、この状態で糖負荷試験をすると、インスリンの分泌が遅れることがよくあります。その結果、「異常」とか「糖尿病パターン」などと判定されてしまうのです。実際には、インスリンの分泌能力に異常がなくとも、です。つまり、異常がない糖質オフをしている人たちを「病人」と判定してしまう、ということです。

 

それにしても、極めて明快に、恐るべき医者の実態が列記されている。
しかし、これは本当にありがたい。

 

『糖尿病の真実』(光文社新書)は、すでに糖尿病と戦っている方はもちろんのこと、これからも快適な食生活を送りたいと願う全ての人に、是非読んで欲しい。

 

文/森健次

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