2019/03/14
大岩 ヴィレッジヴァンガードららぽーと立川立飛店店長・百合部部長
『今どきの女子高生が何を考えてるかわからなくてつらい』KADOKAWA
ちさこ/著
みなさん、突然ですがお酒は好きですか?
先日行われた百合文壇バー(Tiwtter:@yuribundanbar)という集まりにてお酒×百合なシーンのある「ほろ酔い百合」作品を語る場がありまして、改めて今回はそんなテーマで書きたいと思います!
百合作品にたびたび出てくるほろ酔いシーン。お酒の力を借りて普段言えないことを伝えたり、つい飲みすぎたりして気付いたら朝チュン…なんてことも。
当日は何作か紹介させていただいたのですが、その中でも飲む描写の多かった一作を紹介させていただきます。
ちさこ先生の『今どきの女子高生が何を考えてるかわからなくてつらい』は、WEBで人気の表題シリーズのほか6作品が収録された作品集。ちさこ先生の作品にはたびたび「ほろ酔い百合」なシーンが登場しますが、その中でも特に「おとなになればわかる」という短編が切なくて好きです。
学生時代からの親友である中島とヒロは大人になっても二人で飲みに行くような仲だ。
冒頭の会話で中島は、「大人になるとさー やっぱり味覚って変わるのかな」とヒロに尋ねるが、加齢のせいだと一蹴されてしまう。そんな直後にずっと親友だと思っていた彼女の突然の結婚を告げられたら、ビールはどんな味に感じるのだろうか。
大人になったら味覚は変わるというけれど、本当に変わってしまったのは何なのだろうと思い始めると、すごく切ない気持ちになる。
「ほろ酔い百合」を探すために今回色々な百合漫画を読み返したが、ひとことにほろ酔い百合と言ってもそこから様々な物語の展開の仕方があり、お酒のシーンに注目して作品を探すというのは非常に面白く、また違った観点で物事を見ることができて新鮮だった。
また、どの作品にも共通して言えるのは、女の子たちがぐいぐいお酒を飲んでいる様子が可愛くって爽快だということ。あなたの見つけた「ほろ酔い百合」、私にも教えてください。
『今どきの女子高生が何を考えてるかわからなくてつらい』KADOKAWA
ちさこ/著