一日江戸人のススメ

後藤由紀子 「hal」店主

一日江戸人(新潮文庫)
杉浦日向子/著

 

 

怪我で入院中の母に代わって、
三姉妹でシフトを組んで
実家の父にごはんを作りに行っている。
今日は何してたの? と聞くと
時代劇を観てたよ、と答える父。
江戸を斬る・遠山の金さん・水戸黄門・鬼平など江戸時代の話ばかり。
落語・相撲好きも父からの影響をまんまと受けた。
場所中は父の解説を聞きながら
大相撲をテレビで一緒に観戦した。

 

江戸時代は物価も安く月のうち半分働けば家族を養えたらしい。
お金がなくても道端で面白いことをすると
通行人はそれを素通りすることなく
ちゃんと笑って一文なり二文なりの小銭を
放っていくという情の深さがある。

 

そこにはちゃんと愛がある。

 

長屋暮らしをし、毎日銭湯へ入り、週に一度は床屋へ行き
少々の寝酒を飲み、道楽を楽しむ。
夏はすだれを出し朝顔を育ててスイカをいただく
四季折々の過ごし方がある。

 

これからの季節だと師走の風景も大切にしたいところ。
12月に入ると早々に事納めをし
大掃除の準備に取り掛かる。
その後は無礼講というのもなんとも面白い。

 

そんな風物詩を織り交ぜつつ
笑いと遊びがたっぷり、浴衣の柄もシャレが効いていて粋でいなせ。
現代人の私たちは先人を見習って
もっとゆとりのある暮らしをしたいものだなぁー、としみじみ思う。

 

最後にあなたの江戸っ子度はどれくらい?
のページがある。
私は静岡生まれで6年しか都内には住んでないけれど
せっかくだからやってみた。
18項目中4つだけ当てはまった。
皆さまもお試しあれ。

 

一日江戸人(新潮文庫)
杉浦日向子/著

この記事を書いた人

後藤由紀子

-goto-yukiko-

「hal」店主

静岡県沼津市にある雑貨店「hal」店主。日々の暮らしの中から選ばれた器や雑貨、本のセレクトに惹かれて、全国からファンが訪れる。ふたりの子供の子育てが終わってからは、各地でのイベントや「出張hal」も開催。『日々のものさし100』(パイ インターナショナル)、『お母さん、旅はじめました』(光文社)など飾らない語り口のエッセイや日常の工夫や物選びのヒントを紹介する書籍を多数出版し、好評を博している。

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