仕事への考え方に思いきり揺さぶりをかけられた!『殺人犯はそこにいる』

坂之上洋子 経営ストラテジスト・作家

「殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」新潮文庫
清水潔/著

 

本が好きです。
自分の人生の、きっかけ、をくれるから。

 

私はフリーで、10年、仕事をしてきました。
でも、数年前、夫が海外転勤が決まった時に、悩みに悩んだ末、一緒に行くことにしました。娘が小学生だったということもあります。

 

でも、もう自分は、海外だし、私は、これで、「自分の積み上げてきたキャリアは終わりだな」と諦めのような気持ちでいました。

 

そんな折、偶然手にした本が、清水潔さんの「殺人犯はそこにいる」でした。
友人が薦めてくれたのです。
「私はサスペンスもの全然読まないし、推理小説の殺人事件なんて趣味じゃないの、こんな怖そうなの、読みたくないよ」
題名を見てそんな感じのことを言ったのをよく覚えています。

 

でも、友人は、これは小説じゃない。事実だから。「絶対読む価値がある」と。

 

そんな強い推薦があったので、お付き合い程度の気持ちで、読みはじめた本。それがまさか自分の仕事に対する考え方にこんなに影響を与えるとは、思いもしませんでした。

 

その内容は、読み物として、ゾクゾクするし、もちろん、感動を味わえます。
ページをめくるたびに、まるでオセロの黒を一つ一つ白くめくるように物事を覆し続けていく展開に取り憑かれる人も多いでしょう。

 

ただ、それ以上に、私は彼の「物事に向き合う態度」に心が震えました。

 

「常識を疑う」こと。
「人としてどうあるべきか」という重み。
「誠実さ」
そして何より
「一人だけで、ここまで、やれる」という事実。

 

調査報道という彼の仕事と私の仕事の種類は全く違うけれど、この本を読んだときに、自分がいかに、甘いな、と思わざるをえませんでした。

 

それまで、私は、仕事に対する哲学を自分で決められてなかったのだと思います。そんなふわふわな感じでいた自分に思い切り揺さぶりをかけられた本でした。

 

今、海外在住であるにかかわらず、私が仕事を続けられているのは、「一人で、あろうと、どこにいようと、誰にも負けない自分らしい仕事をする」と、まず自分の心の中で決められからだと思います。

 

そんな転機をくれた一冊でした。

 

「殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」新潮文庫
清水潔/著

この記事を書いた人

坂之上洋子

-sakanoue-yoko-

経営ストラテジスト・作家

米国でデザイナーとして数々の賞を受賞。米国のコンサルティング会社の副社長を経て独立。国際機関、官庁、大学、社会起業家/NGO/NPO、企業経営者などへ経営やコミュニケーション戦略の構築をしている。 Newsweek誌の「世界が認めた日本女性100人」の一人に選出。著書に『結婚のずっと前』(二見書房)『プレゼント 世界で1番大切な自分の見つけかた』 (中経の文庫)『犬も歩けば英語にあたる』(英治出版)など。中国系アメリカ人で応用数学者の夫と三カ国語を話す多国籍の娘との3人暮らし。現在、拠点は、東京、北京 、軽井沢。時々ニューヨーク。



Blog「犬も歩けば どこかにあたる」:blog.sakanoue.com
Twitter:@sakanoue

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