本物の探偵と話せる! 「感動エピソード」に泣ける店「探偵カフェ プログレス」
寺井広樹の東京いい店泣ける店withおとよ

最近、いつ涙を流しましたか?現代人に必要なことは、もっと「泣くこと」。涙を1粒流しただけでストレス解消効果が1週間続くと言われています。
「家にも職場にも泣く場所がない」「思いっきり泣きたい!」そんな声をよく耳にします。そこで、厳選した“泣ける店”を紹介。案内人は、これまで1万7000人を泣かせてきた“涙活”発案者である寺井広樹、そして、助手の“おとよ”こと、とよしま亜紀。
店主の感動的なエピソードで泣ける店、懐かし過ぎて泣ける店、辛すぎて泣ける店……、東京の泣ける店を、美女の涙と共にお届けします!様々な泣きをご堪能あれ。

 

スイーツの味を再現したカクテル、ワニの手が丸ごと入った料理に驚愕!

 

今回の涙活は、池袋にある「探偵カフェ プログレス」へ。「泣き美女」の小澤舞里子、助手のおとよ、そして、私寺井の3人で行ってきました。ココはなんとお店の人が探偵なんですよ。

 

 

お店のドアを開けると、目に飛び込んできたのが、ドラマの事件現場シーンで見かけたことがある人型の白線!

 

 

いやー、これは楽しいじゃないですか! 童心に帰って、ワクワクしてきます。

 

カウンターに座ると、マスターの鈴木さんがお店のシステムからドリンク、フードの説明をしてくれます。

 

右が鈴木さん。現役の探偵です。

 

早速、女子一番人気のスイーツカクテル「ウメミンツ(税抜・900円)」と「道明寺(税抜・900円)」、オリジナルカクテル「プログレス(税抜・1000円)」を注文。

 

左から「プログレス」「ウメミンツ」「道明寺」

 

「スイーツカクテルは、本物のスイーツの味を再現しています」と鈴木さん。

 

「道明寺」は桜色と緑色。味はというと「あ、本物の桜餅の味がする」と舞里子も目を丸くしています。

 

 

私が「ウメミンツ」に口をつけようとすると、鈴木さんがウメミンツを手渡してくれました。「昔はよく食べたけど、味を忘れたという人もいるので、再現されていることがよく分かるように本物も置いているんです」

 

本物のウメミンツを食べた後に、カクテルを飲むと、その再現度の高さに驚かされます。

 

どうして、こんなカクテルを?

 

「飲みに来ても、お酒が弱い女子は、ずっとカルアミルク、カルアミルクなんです。“私だって、いろいろ飲みたいのに”という声を聞いたのが、アルコール度数の低いスイーツカクテルを作り始めたきっかけです。このほかにも、クレームブリュレ、モンブラン、スイートポテトなどの味を再現したスイーツカクテルもあります。“こんなにたくさんの種類を飲めたのは初めて”と感動して泣いた子もいますよ」

 

スイーツカクテルで、涙活ですか! いいですね~。

 

一方、「プログレス」を頼んだおとよは「メロンのフルーティな香りがして、すっごく飲みやすい。グラスの縁についた砂糖もいいですね」と楽しんでいます。

 

さて、フードメニューは店一番人気の「ワニタンの炙り(税抜・1800円)」と「ワニの手のシチュー(税抜・2300円)」を頼みました。

 

「えっ、あの爬虫類のワニですよね?」と驚く舞里子。

 

ワニの肉って、めちゃくちゃ珍しいじゃないですか!

 

「ワニ料理を提供するようになったきっかけは、来た人全員に楽しんでもらうためなんです。探偵がやっている店に行ってみたいけど、一人では行きづらくて、友達を誘うこともあるじゃないですか。けど、友達は探偵なんて興味がない場合も。そこで、皆さんに喜んでもらえるように何か珍しいフードを出そうと考えたんです。けど、珍しいものにはクセがあります。そこで、クセがなくて珍しいものを……と探して見つけたのが、ワニの肉だったんです」と鈴木さん。

 

左から「ワニタンの炙り」「ワニシチュー」

 

まずはワニの舌を使用した「ワニタンの炙り」から。クセがなく、ぎゅっと旨みが凝縮されていて、ジューシーです。

 

「ワニの手のシチュー」には、なんとワニの手が丸ごと一本入っています。最初こそ驚いた舞里子でしたが、泣くのでは? という予想に反して喜んでいます。

 

ワニの手を掴んでにっこり笑う舞里子。

 

食べてみると、「グロテスクなのにクセがない。鶏肉のような感じです」と舞里子。

 

ワニ料理目当てのお客も多いそう。確かに、この料理を食べるだけでも来店する価値がありますね。

 

インスタ映え間違いなし! 記念撮影で盛り上がる

 

そんな鈴木さんの来店した人全てに楽しんでもらいたいという思いは、店内の至る所に溢れています。

 

「事件現場の人型の白線を使って、記念撮影する人が多いんですよ」と鈴木さん。

 

早速、美女が床に転がって死体の真似をして遊びます。すると、鈴木さんが「この角度から撮影するといいんですよ」とアドバイスしてくれます。

 

 

 

 

私たちが楽しんでいると、「マグショット(アメリカで、逮捕された後に撮影される犯罪者の写真)撮影もできますよ」と鈴木さん。

 

身長計の前で、ボードを持つ舞里子。

 

このほかにも、「盗聴発見(0円)」や「指紋採取(税抜・800円)」などの体験も可能です(ただし、バータイムのみのサービス)。

 

指紋採取を楽しむ舞里子。

 

「実は、事件現場の人型の白線も、マグショット撮影も、指紋採取も探偵業とは1ミリも関係ないんです。これらも探偵に興味がない人でも楽しんでもらえるようにしているんですよ」と鈴木さん。

 

浮気調査の結果に、美女の目から涙が!

 

「大満足のひとときでしたね。帰りますか」とおとよ。

 

いや、おとよ、まだ舞里子が泣いていないでしょ。

 

ここは鈴木さんに、泣ける探偵実話をしてもらえないでしょうか。

 

「それじゃ、話しても大丈夫な、ある浮気調査のエピソードを……」

 

はい、お願いします。

 

「ある日、第二子妊娠中の奥さんが疲れ切った表情で、私どもの探偵社に依頼にやってきたんです。旦那さんが深夜0時を超えて帰宅する日が続いているから、浮気をしているんじゃないかって。奥さんと旦那さんは社内恋愛。なので、そんなに残業がある会社でないことは奥さんも知っています」

 

「それって、めちゃくちゃ怪しいじゃないですか」とおとよ。横で舞里子も頷いています。

 

「私たちが旦那さんの会社の前で張り込んでいると、終業時刻すぐに旦那さんが会社から飛び出してきたんです。ものすごく慌てている。けど、自宅に向かう方向の電車に乗ったので、帰宅するのかなと思ったら、途中の駅で降り、飲食店だらけの雑居ビルの中に裏口から入っていったんです。警備の人がいたので、それ以上後をつけることはできませんでした」

 

 

「そこで、雑居ビルの表口と裏口に一人ずつ見張りの探偵を残して、私が中に入って、どこにいるのかを見て回ることにしたんです。飲食店には“友だちと待ち合わせているんですけど”と言って店内を見せてもらって。けど、どこにもいないんですよ」

 

「どこに行ったんでしょう」と考え込む舞里子。謎が深まりますね。

 

「ある居酒屋に入ったんです。オープンしたばかりで、店内を見渡しても誰もいません。“ここも違うか”と、帰ろうとしたときに、見つけたんですよ、旦那さんの姿を。客席でなくて、奥の厨房で。旦那さんは居酒屋でバイトしていたんですよ」

 

「えっ!」と驚く舞里子とおとよ。

 

「奥さんに報告したら、感動で号泣です。“今の給料じゃ2人も子どもを持つのは経済的に厳しいから、バイトしていたんだろう”って」

 

その言葉に感動した舞里子。うっすらと目に涙が。

 

 

夫婦の絆に心温まる、いい話ですね~。

 

ところが、「気持ちが落ち着くと奥さんが“あいつがちゃんと話してくれたら、調査料金を支払わなくて済んだのに!”って言い出したんです。それこそ、怒りで泣けるって」と鈴木さん。

 

これには一同、涙もひっこんで大笑い。鈴木さん、楽しいひとときをありがとうございました!

 

 

●お店のデータ
住所: 東京都豊島区池袋2-47-12第II絆ビル9F(JR「池袋駅」北口から徒歩3分)
営業時間:バータイム 19:00~翌4:00(L.O.)日曜19:00~0:00(祝前日除く)
最新の情報は公式サイトを参照。
カフェタイム 土日祝11:30~17:30
定休日:年末年始以外無休。ただし、貸切なども行なっているのでご来店の際はお店にお問合せください。
電話:03-6698-2263
URL:http://tantei-cafe.com/cafe.html
月会費1000円の特別会員になると1人1000円のチャージが30日間無料に。

東京いい店泣ける店

寺井広樹・とよしま亜紀

【寺井広樹】
泣いて心のデトックスを図る「涙活」を発案。『涙活公式ガイドブック』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)、『泣く技術』(PHP研究所)、絵本『ナミダロイド』(辰巳出版)など著書多数。
【とよしま亜紀】
雑誌・書籍編集兼ライター。現在、師匠である寺井氏の元で“涙のスペシャリスト”として修業中。著書に、あの世とこの世の情けに泣ける『宮城の怖い話』『新潟の怖い話』『静岡の怖い話』(TOブックス)。

イラスト:えんどうまめ
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