akane
2019/01/16
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2019/01/16
都営大江戸線・つくばエクスプレス新御徒町駅からおよそ徒歩1分。今回の「泣き美女」小本幸奈、おとよ、私寺井で、「懐かしすぎて泣ける店」給食当番へ。
ここは昔懐かしい学校給食を味わうことができる店なんですよ。「どんな給食が出るのか、ワクワクします」と幸奈。さあ、入りましょう!
私たちが通されたのは2階。店内は小学校の教室風です。目の前には大きな黒板、そして学校机と椅子。そうそう、給食のときは、班ごとに机を向かい合わせて食べていましたよね。
「あ、こんなものまで」と椅子にかかっているランドセルを見つけて、背負って遊び始める幸奈、おとよ。この部屋に通されるだけでも懐かしさがこみ上げ、テンションが上がりますね。
さあさあ、皆さん、席に着いて! 給食の時間ですよ。さて、ランチおすすめの「スペシャル給食セット」(1500円・税込)を注文しましょう。
出てきたのは、ソフトめん、ミートソース、カレーシチュー、肉だんごスープ、はるさめサラダ、くじらの竜田揚げ、あげぱん、ミルメーク牛乳のセット。プラスして、冷凍みかん(100円・ランチ時税込)も頼みました。アルマイトのお盆と食器に先割れスプーンがついていて、凝っていますね。
給食の盛り付けは難しいんですよ、特に汁物は。最初は具の量が多いんですけど、最後の方になると汁ばかりになってしまって……。クラスの女子から何度ダメ出しをされたことか。
「寺井さん、悲しい過去を思い出して、涙が出てきましたか」と、そっとハンカチを差し出すおとよ。いえいえ、まだ泣きません。
さあ、手を合わせていただきます!
瓶の牛乳が懐かしいですね。牛乳でわざと白ヒゲを作って、遊んだ人もいるでしょう。
同じように牛乳瓶を手にして、「あ、残念。ふたがない。私、集めていたんですよ」と話すおとよ。そうそう、ふた集めも流行っていましたね。
「私はふたの裏にドラえもんとか、アニメのキャラクターを書いていました。大きめのタッパいっぱいに持っていましたよ」とおとよ。
すると、「集めて何に使うんですか?」と不思議そうな顔で尋ねる幸奈。
ふたを、めんこの代わりにして遊ぶんですよ。ただし、手の風圧ではなく、息を吹きかけて、ふたを裏返します。真っ平らなふたはひっくり返りにくいんです。だから、私は勝負に強いふたを作るために、沸騰させたヤカンをアイロン替わりにして、少し濡らしたふたをプレスしてました。
そんな私たちを見て、「私は紙パックだったんですよ。聞いていると瓶のほうがおもしろそうですね」と幸奈。幸奈は平成生まれ。おとよと私は昭和生まれ。瓶なのか、紙パックなのかは世代差でしょうね。
幸奈に何か懐かしいものがないか、聞いてみると、「ソフトめんです」と即答。「クセがなくて、何にでも合うんですよ。麺の上にミートソースやカレーシチューをかけて食べていましたね」
実は、ソフトめんを知らないおとよと私。これも世代間ギャップでしょうか。すると、店長さんが「あ、ソフトめんが出ない地域があるんですよ」と教えてくれました。私もおとよも関西出身。地域差なんですね。
ちなみに、幸奈は北海道出身。ご当地給食がありそうですが……。「北海道だったら、カニが出るとか」と突っ込むおとよ。さすがに学校の給食で、カニはないでしょ。
幸奈いわく「北海道らしいものと言えば、わかめと鮭のごはんかな」とのこと。それも美味しそうですね。
早速、袋からソフトめんを取り出し、定番のミートソースを上からかけて、食べる三人。麺自体は柔らかくて、太さは細めのうどんという感じですね。「ミートソースとよく絡まって、イケる」とおとよも頬張っています。
けど、「あっ」と幸奈がソフトめんを食べる手を止めます。「ソフトめんって長いんですよ。だから、袋に入っている状態であらかじめ箸を使って十字に切って短くしておくんですよ。それを忘れていた」とつぶやく幸奈。その瞬間、学生時代の思い出が溢れ出したようです。
女優を目指し、単身北海道から上京してきた幸奈。遠く離れた故郷のことを思い出し、涙が……。
「私、あげぱんが苦手で……」とトレーに入ったあげぱんを見つめる。けど、あげぱんの日はうれしかったのだとか。幸奈の初恋の男の子があげぱんが好き。あげぱんの日は、わざわざ幸奈の席までやってきて「あげぱん、ちょうだい」と言ってきたそう。「それがうれしくて……」と頬を赤らめる幸奈。
「ええ話やな」とおとよ。しかし、おとよも私もあげぱんは知らないのです。どうやら、あげぱんも地域限定のようです。
おとよの好物は、レーズンパンだったそう。レーズンの甘味とパンがマッチして、レーズンパンが給食に出る日は、朝からわくわくしたのだとか。私は「とくれん」という凍らせたオレンジゼリーが大好物でした。少し溶かして、シャリシャリした状態で食べるのがいいんですよ。私の出身地である神戸っ子限定の給食かもしれません。
さてさて、おとよと私は、初あげぱんにトライ。カリッとしていた皮に、砂糖をまぶしてあるんですね。シンプルな味わいだけど、クセになりそう。牛乳にもよく合いますね。砂糖がボロボロ落ちるのが難ですが(笑)。
さあ、皆さん、食べ終わりましたか。あれ、おとよのくじらの竜田揚げだけが残っている。おとよ、好き嫌いはいけませんよ。
「けど……」とうつむくおとよ。「奈良に住んでいた頃、このメニューがあって。硬くて硬くて噛み切れなくて、まずかった。好き嫌いはないけれど、くじらの日だけは嫌でした」と言い出した。
すると、幸奈が「私は今回初めてくじらの竜田揚げを食べたんですけど、美味しくて牛肉みたいな感じですよ」
そんな幸奈の言葉を聞いて、恐る恐るくじらの竜田揚げを口に運ぶ、おとよ。「アレ、柔らかい。牛肉というよりは、まぐろみたいかも。なんでや?」
良かったじゃないですか。すると、「本当はこんなに美味しかったものとは。あのころの私に教えてあげたい」とおとよの目から涙が……。
給食は思い出の扉を開ける鍵。ここに来ると、世代や地域を超えて、懐かしさに涙が流れます。
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