akane
2019/07/26
akane
2019/07/26
ケツホール(正しい名称は「プリ☆ケツ シリズリーナ」)を売るのは骨の折れる仕事でした。
このケツホールが発売されたとき、10個買ってくれたら1個プレゼントというキャンペーンを実施しました。郊外の広い店舗なら個数が多くても展開できますが、わたしが担当する都内の店舗は売り場面積も狭く、大量の受注はとれません。入社三か月、理不尽な仕事だなと思いました。
「どんどんケツ売れ」と鬼のようなことは言われましたが、上司はいいアドバイスもしてくれて、都内が難しいなら、他の営業が行けてない地方の店舗に電話したらいいと、営業に行けてない地方店舗があることを教えてくれました。
さっそく、売り上げデータから、地方で売り上げの高い店舗をピックアップし、電話営業を開始。10個買ってくれる店舗は少なかったですが、5個以上とったら会社にあるパンツをつけます、ローションつけます、と独自で購入特典を用意したら、少ない個数ですが発注してくれる店舗が出てきました。
電話営業の他に売る方法もないので、わたしも必死です。100件近いリストを完了させるために、毎日のように夜10時過ぎまで作業し、担当者が深夜勤務している店舗には明け方、自宅から電話をかけることもありました。
苦しい仕事でしたが、何十件も電話した経験によって、営業トークもスラスラできるようになりましたし、知らない店舗に電話営業するのも怖くなくなりました。
そしてなにより、「そんなに必死に営業するなら仕方ないな」とホールの注文をもらった経験は、営業としての自信になりました。営業になったばかりで不安だったわたしは、電話越しのお客さんに支えられ、育ててもらったように感じています。
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