ryomiyagi
2021/01/25
身体にやさしい新治療が医療を変える
ryomiyagi
2021/01/25
光免疫療法――人体に無害な近赤外線を照射してがん細胞を消滅させる、がんの新しい治療法が世界で注目を集めている。この治療法は2012年、アメリカ元大統領のバラク・オバマが一般教書演説で「米国の偉大な研究成果」と世界に誇ったことでも知られる。
2020年9月には、光免疫療法で使われる新薬「アキャルックス点滴静注」が世界に先駆けて日本で正式に薬事承認され、事業が本格化した。光免疫療法とはどのような治療法なのか。身体への負担は? 副作用は? 転移・再発の可能性は? アメリカ国立衛生研究所の日本人開発者が、治療の詳細と特徴、これからの医療、そして「貧者のプライド」を初めて語る。
(こばやしひさたか) 1961年、兵庫県西宮市生まれ。現在、NIH/NCI(アメリカ国立衛生研究所・国立がん研究所)分子イメージングプログラム主任研究員として勤務。87年、京都大学医学部を卒業し、95年に京都大学大学院内科系核医学を専攻し修了、医学博士号取得。同年に渡米、NIH臨床研究センターフェローに。98年に帰国し、京都大学医学部助手を経て、2001年に再渡米、NIHのNCIにシニアフェローとして勤務、05年から現職に。11年、光免疫療法の論文が米医学誌『Nature Medicine』に掲載される。光免疫療法の研究・開発により14年にNIH長官賞、17年にNCI長官個人表彰を受賞。他に5回のNIH Tech Transfer Award等を受賞。
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