ryomiyagi
2022/06/29
天安門事件「大弾圧」の舞台裏
ryomiyagi
2022/06/29
今日の中国では、趙は存在しなかった人である。だが将来、被害妄想的な時代が終わりを告げたとき、国のために力を尽くしたにもかかわらず、支配権力と衝突した歴史上の人物の一人として、その栄誉を称えられるであろう。(序文/ロデリック・マクファーカー)
1989年、北京市内では民主化を求める市民がデモを繰り返していた。李鵬首相ら守旧派が戒厳令布告を求める一方、民主派の趙紫陽総書記はそれを拒否し、市民との直接対話を試みる。だが政府は趙を意思決定の場から外して武力制圧に乗り出し、結果多くの死者が出ることに(天安門事件)。趙紫陽は追放され、2005年に亡くなるまで16年も自宅に軟禁されるが、その間彼は事件の経緯や自らの思いを多くのテープに秘かに録音していたのだった。
民主化運動を支持し、16年幽閉された元総書記が明かす、いまだ中国が公認しない「歴史の真実」!
ちょう・しよう Zhao ZiYang
河南省生まれ。1938年中国共産党に入党。’65年広東省党委員会第一書記に就任、最年少の省指導者となる。’75年四川省党第一書記として農村改革を実施。’80年代には国家の経済運営の責任者として、また政治改革のリーダーとして指導力を発揮し、’87年総書記就任。’89年6月、天安門事件後すべての職を解任され、以降16年間にわたって自宅軟禁される。2005年1月17日、北京で死去。
こうのじゅんじ
1962年生まれ。明治大学法学部法律学科卒業。翻訳家。訳書に『不屈:盲目の人権活動家陳光誠の闘い』(陳光誠)、『中国安全保障全史:万里の長城と無人の要塞』(ネイサン)、『ピュリツァー賞 受賞写真全記録』(ビュエル)、『悪魔のデリバティブ』(ダンバー)、『ぼくはいかにしてキリスト教徒になったか』(内村鑑三)ほか多数。
株式会社光文社Copyright (C) Kobunsha Co., Ltd. All Rights Reserved.