ryomiyagi
2022/07/21
最後の大物官僚と戦後経済史
ryomiyagi
2022/07/21
齋藤次郎――。
かつて小沢一郎と組み、増税による「財政再建」という、 経済・財政政策としての保守本流路線に賭けた筋金入りのエリート官僚がいた。齋藤は二度勝負した。大蔵事務次官時代の1994年には、細川護熙連立政権を使って国民福祉税の導入を試み、退官後の2007年には、読売新聞主筆の渡邉恒雄を巻き込み、自民、民主両党の大連立構想を梃にドイツ型の増税を目指した。いずれも後一歩のところで失敗に終わったが、なぜ齋藤は財政規律の回復にかくまで異様な執念を燃やしたのか――。齋藤に最も食い込んだ政治記者がライフワークとして取り組み、齋藤の重い口を割って歴史の証言者としての言葉を引き出した伝記的ノンフィクション。
1953年生まれ。東京都出身。毎日新聞客員編集委員。 東京大学教育学部卒業後、毎日新聞社に入社。 水戸支局、青森支局、東京本社整理部、政治部、経済部、千葉支局長などを経て、 2004年に政治部長、2011年に論説委員長を務める。 著書に『国会は死んだか』『住専が国を滅ぼす』(毎日新聞社、いずれも共著)、 『千葉つれづれ』(崙書房)、『小泉政権1980日(上・下)』(行研)、 『日本の死に至る病 アベノミクスの罪と罰』(河出書房新社)などがある。 「サンデー毎日」で「倉重篤郎のニュース最前線」を連載中。
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