akane
2018/05/22
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2018/05/22
昭和後期から末期にかけて、マンモス団地の1階には八百屋や肉屋といった店が入っていて、住人にとっては商店街が足元にあるような状態だった。
探してみれば、今でも商売を続けている店がそこかしこに存在しており、それを見つけたときは嬉しくなってしまうもの。
たとえば、高島平団地の中央商店街。
ここのイチオシはお惣菜の「ちばや食品ストア」だ。手づくりのお惣菜、中でも揚げ物が人気のお店である。
その土地土地に根付いた飲食店を記録し、『東京「裏町メシ屋」探訪記』(光文社知恵の森文庫)にまとめた刈部山本さんによれば、高島平団地には「ほかにも、町中華の栄来、純喫茶のイヴなどがあり、ここにくれば昭和の時代に慣れ親しんだ味とサービスに出会える」という。
赤羽の桐ヶ丘団地の団地内マーケットも現役だ。
惣菜屋やうどん屋、カラオケ喫茶などが点在し、飲食店のほかには昔ながらのおもちゃ屋まである。
「パン店を兼業したお菓子屋さんの軒先にはガチャガチャが並び、オレンジのアップライト筐体が未だ稼働し、10円ゲームまで残っている。おもちゃ屋の前にはこれまたガチャガチャが並ぶのだが、その裏に飛行機などを模した乗り物、ムーバーが塗装が剥げつつも複数台稼働しているようだ」(『東京「裏町メシ屋」探訪記』より)
昨今、多くの団地で建て替えが進み、さらに住民の高齢化に伴い需要が減る中、現存する団地テナントの味わいを一か所でも多くとどめておきたいものである。
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