朝起きられない、疲れがとれない、性欲がない、不妊の悩み……すべては「副腎疲労」の治療で解決
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ryomiyagi

2020/12/18

 

“ストレス”にも原因・治癒方法はある|来たる2025年、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という“超・超高齢化社会”を迎える日本。若年性アルツハイマーも急増する今、見直すべきは「食事と環境」である……病院では教えてくれない「家庭の医学」をお届けします。

 

本稿は、高城剛『高城式健康術55』(光文社新書)の一部を再編集したものです。

 

生力を奪う「副腎疲労」

 

ここ数年、不妊に悩む女性の友人に相談されることが増えたが、誰もが間違いなく、副腎疲労に陥っている。

 

副腎とは、左右の腎臓の上部にあるホルモン分泌器官で、ストレスに対処するホルモン「コルチゾール」をはじめ、生命の維持に欠かせないさまざまなホルモンを分泌する。

 

ここでいうストレスには、精神的なものだけでなく、大気汚染や食品の添加物、気温の変化、食生活の変化、持病や感染症など、体内で炎症を起こす恐れのあるものすべてが含まれる。

 

ストレスが多く、コルチゾールが過剰に分泌される状態が続くと、副腎が疲れて、必要なときに十分な量を分泌できなくなってしまう。この状態が、「副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)」だ。

 

実は「副腎疲労」は、正式な病名ではない。日本では多くの医師が認識していない症状で、副腎疲労になると「朝起きられない」「仕事の能率が低下する」「性欲が低下する」「燃え尽きてしまう」「慢性的に疲労が蓄積して回復しない」などなどの症状が現れる。

 

しかし、健康診断の数値に異常は見られないので、医師に「ストレスですね」と言われて帰されてしまうのは、よくある話だ。「ストレス」を軽々、口にする医師の話を、鵜呑みにしないほうがいいだろう。

 

ストレスと戦う「コルチゾール」の分泌は、本来なら朝に上がるはずだ。それが上がらず、夜になると元気になる人も、副腎疲労に注意されたい。僕も過酷な渡航が続くと、副腎疲労の初期ステージに進んでしまうことも少なくない。

 

また副腎は、やる気を高めて生理作用をコントロールするアドレナリンやドーパミン、性ホルモンなども分泌するため、副腎の不調は性欲の後退、女性ではPMS(月経前症候群)や更年期障害などの症状も顕著に現れる。

 

タンパク質と脂質で解決

 

僕が見る限り、不妊に悩む女性の友人たちは、日内変動によって朝に高まるはずの「コルチゾール」が上がらないため、午前中は活力が出ない人が大半だ。つまり、不妊の原因は、人間としての生きる力が不足してしまっていることに起因する。

 

そこで、唾液や尿から「コルチゾール」の日内変動を診る検査で、自分が抱えているストレス、つまり副腎疲労を可視化する。

 

だがいったい、検査して副腎疲労だと判明したとして、どのように解決すればいいのだろうか?

 

それは、食事の改善に尽きる、と経験からお話し申し上げたい。

 

副腎に良い食べ物として積極的に摂りたいのは、ホルモンや組織の材料となる「良質なタンパク質」と「良質な脂質」である。

 

タンパク質としては、肉なら地鶏やグラスフェッド(牧草飼育)の牛肉を選択。また、ホルモンの生産過程で大量に消費されるビタミンB群は、副腎疲労の人が不足しやすい栄養素ゆえ、これらを含む玄米や良質な豚肉、貝類や海藻類を多めに摂ることを心がけたい。

 

さらに、カフェインには副腎を刺激してコルチゾールの分泌を促す働きがあるが、摂り過ぎは副腎の負担になってしまう。すでに副腎疲労に陥っている場合、コルチゾールを正常に分泌する力が弱っているため、朝からずっとコーヒーが手放せない人を多く見かける。

 

何を隠そう、かつての僕もそうだった。カフェインを摂ると一時的に元気になるのが理由だが、効果が切れるとコルチゾールの出がさらに悪くなり、逆に疲労感にさいなまれてしまうので悪循環になってしまうのだ。

 

ただし、遺伝子によるところでもあるので、すべての人に当てはまる正解の食べ物はないと考えたほうがいいだろう。

 

少なくとも、多くの人が健康的だと考えるベジタリアンは、一度副腎疲労に陥ったら、食事内容から見ても、そう簡単に抜け出せなくなることを忘れてはならない。

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高城式健康術55

高城式健康術55医師が教えてくれない家庭の医学

高城剛

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