本の森セルバBRANCH岡山店
1986年、岡山県生まれの水がめ座。担当は文芸書、児童書、学習参考書。 本を開けば人々の声が聞こえる。知らない世界を垣間見れる。 本は友だち。人生の伴走者。 本がこの世界にあって、ほんとうによかった。1万円選書サービス「ブックカルテ」参画中です。本の声、きっとあなたに届けます。
2022/05/04
『おいしいごはんが食べられますように』講談社 高瀬隼子/著 食べることがすきだ。 恥を忍んで告白すれば、つねに次の「食べる」について思いを馳せている。 朝のパンを食べながらお昼のことを。お昼の […]
2022/03/23
『旅する練習』講談社 乗代雄介/著 あの春に――そう、はじまりは春だったのだ。 突然の外的要因によって閉じ込められた私たちは、立ち止まってしまった場所を「居場所」とし、じっと嵐が過ぎ去るのを待 […]
2022/02/17
『竜血の山』中央公論新社 岩井圭也/著 重く鈍いきらめきが、この世に存在することがすべての悲劇のはじまりだっただろうか。 その重みに選ばれ導かれるように、栄華と衰退を辿った者がいた。 その輝き […]
2022/01/25
『雪のなまえ』徳間書店 村山由佳/著 膝を抱えてうずくまっていたあの夜に。 心のなかには、しんしんと冷たい雪が降り積もっていくようだった。誰の声にも耳を傾けず、誰の手も掴むことのできなかった私 […]
2021/12/24
『残月記』双葉社 小田雅久仁/著 月の光は、人の心を惑わせ誑かし、そしていつしか魂までをも奪い去る。 夜ごと空に浮かぶ月にこのような作用があるのだとしたら、人々は恐怖によって狂気の道へと進むこ […]
2021/12/13
『震えたのは』ナナロク社 岩崎航/著 震えたのは あなたのうたが 私のこころを貫いたから 震えたのは あなたの言葉に 燃えさかるいのちが宿っていたから いま あなたの瞳は 揺れて […]
2021/11/25
『星を掬う』中央公論新社 町田その子/著 母との関係を拗らせたまま大人になった。 大きな欠落を抱えたまま生きる、かつての少女はきっと多い。 かくいう私もそのひとりだ。 ありふれた […]
2021/10/20
『センス・オブ・ワンダー』 レイチェル・カーソン/著 ある秋の嵐の夜、わたしは一歳八か月になったばかりの甥のロジャーを毛布にくるんで、雨の降る暗闇のなかを海岸へおりていきました。 海辺に […]
2021/09/28
『旅猫リポート』講談社 有川浩/著 本との出会いはふしぎなものだとつくづく思う。 書店という大量の本が常にぐるぐる廻っている場所にいても、「読む」という行為にいたるものは、その中のごくごく一部 […]
2021/08/31
『海をあげる』筑摩書房 上間陽子/著 沖縄の夜はきっと、暗く濃く深いのだろう。 漆黒の空にまたたく星はさんざめくように光り輝き、寄せては返す波の音色は聴くものの負の感情までも受け入れ流していく […]
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