『ネオ』歴史小説(前編)
市川淳一『ぼんくら書店員のぼんくRADIO』

「カリスマぼんくら書店員」市川淳一がお気に入りの本を出発点にして、あちらこちらへ行きつ戻りつ縦横無尽にカルチャーを語りつくします。今日のテーマは「『ネオ』歴史小説」。ゲストに光文社文庫編集部・園原さんをお招きし、新しい歴史小説の潮流を語ってもらうことにしました。

 

 

◆POPが生んだ2人の出会い

 

市川:はい、こんにちは。ぼんくRADIOのお時間でございます。

 

―よろしくお願いします。今日は早速なんですけれども、市川さんからご報告が。

 

市川:この度『オール読物』第8回本屋が選ぶ時代小説大賞の選考委員に抜擢していただきました!

 

―おお。めっちゃすごいですね(前回もこのくだりやったけど、まあいいか……)。

 

市川:すごいです。めちゃくちゃ緊張しました、選考会。こないだの回で紹介したAOKIのジャケット(を着て)。

 

―例のジャケット(笑)

 

市川:ご年配の方が読む雑誌なので、ジャケパンスタイルで。と言っているにも関わらず、今回の収録は飯伏プロレス研究所のパーカーを着ているんですけど、差別はないです(笑)

 

※飯伏プロレス研究所……1982年生まれの現役プロレスラー。得意技のフェニックス・スプラッシュと型にハマらない巧みなスタイルは人気を博し、現在のプロレスブームの火付け役となった飯伏幸太が、プロレスの可能性をさらに広げたいという野心から独立し、研究所を立ち上げる。記者会見の場では「新しいことをやりたい。怪しい動きをしていきたい」と発言し、その活動内容はプロレス業界全体から注目を集めるが、その実態は謎に包まれている。しかし2017年。新人募集も開始され、飯伏プロレス研究所では壮大なプロジェクトが進行していると噂される・・・。
(飯伏プロレス研究所公式ホームページより抜粋)

 

―気にしてないです(笑)むしろジャケットを着ている市川さんは想像できないですが……。

 

ということで(?)、今回は市川さんが選考委員になったことを記念して「時代小説」を特集したいと思います。

 

市川:よっ!(拍手)

 

―ただ大変申し訳ないことに、私が時代小説に疎いので、今回はピンチヒッターに来てもらいました。では紹介します。光文社文庫編集部の園原さんです!

 

園原:どうも~。よろしくお願いします!

 

市川:よろしくお願いします!

 

―ちなみに、園原さんと市川さんはお知り合いということもあって今回来てもらったのですが、どういう経緯で知り合ったんですか?

 

園原:元々、中央公論新社から出ている『もののふ莫迦』という、中路啓太さんの作品がありまして。

 

市川:ちなみに第5回の時代小説大賞です。

 

―先ほどの。

 

園原:で、これが文庫になった時に非常に反響がありまして。その理由を探ったところ、丸善川崎ラゾーナ店さんでパネルが店頭で飾られているのが功を奏しているみたいだと。

 

そこに担当編集の管(かん)さんという方の似顔絵が載っているんですけど、これがめちゃくちゃソックリなんですよ。

 

市川さんが描いたPOPに載る中央公論の管さん

 

市川:ありがとうございます。前回の収録で色々似顔絵を紹介したと思いますが、あんな感じで。

 

―そうですね。大体こういうのは前回の記事にリンクが飛ぶやつなので大丈夫です(笑)

 

園原:そんなこんなで市川さんのことは気にかかっていたんですけど、光文社でも同じ中路啓太さんから『ロンドン狂瀾』という作品を書いて頂きまして。文庫の編集を担当させてもらったんですけど、これを読んだ先ほどの管さんが「これは面白い!」ということで、是非、他社の作品だけど何か仕掛けられないかという話がありまして。

 

市川:前代未聞ですよね。

 

園原:そうですね、それで二社の編集部がタッグを組んで。今度は私の似顔絵も描いていただきまして。絵をあしらった帯とPOPで丸善さんで展開していただいたという縁がありまして、この度同席をさせていただいております。

 

―よろしくお願いします。

 

市川さんが描いたPOPに載る園原さんと管さん

ボンクラ書店員のぼんくRADIO

ぼんくら書店員・市川

「『竜馬がゆく』と『燃えよ剣』の出版社の違いが分かる」を理由に、自信満々で某チェーンにアルバイトとして入社し10年が経過。光栄のゲームの武将パラメータを眺めながら、歴史小説を読むのが日課のボンクラ書店員。たまに本の帯やポップをデザインしたり、小説の巻末に漫画を描いたりしています。1981年神奈川生まれのAB型。
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