BW_machida
2020/07/26
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2020/07/26
2012年春の出場校の中では、大阪桐蔭と光星学院の2強状態だった。一方、大阪桐蔭を苦しめた浦和学院、光星学院を苦しめた愛工大名電などの実力も光った。
また、初戦から大谷翔平を擁する花巻東対絶対王者大阪桐蔭の好カードも実現した大会だった。さらに、「機動破壊」のイメージが強い健大高崎が台頭し、ベスト4に勝ち進んだ。
大谷翔平対藤浪晋太郎、逆転の大阪桐蔭
この年のセンバツの話題を集めたのは、やはりこのカードだろう。大谷翔平と藤浪晋太郎は両投手ともにプロ注目、ドラフト1位もほぼ確実と言われていたレベルの選手であった。
特に大谷は、藤浪から1打席目からホームランを放つなど、高校生離れした打撃センスを大衆に見せつけた。
ただ、それを覆すように強かったのが大阪桐蔭。総合力の高さを見せた。藤浪以外にも、捕手の森友哉は大阪桐蔭史上最高峰のミート力を誇り、大谷のストレートもいとも簡単に弾き返した。また、試合の中盤で負傷したとはいえ4番田端良基も大谷からホームランを放つなど、地力を見せた。好投手に対して先制されながらも物怖じしない大阪桐蔭の「横綱野球」が見られた試合である。
2回戦の九州学院戦も2点を先制されたがすぐさま逆転し、勝利して順調に準々決勝まで進んだ。
大谷翔平2012〜2017年本塁打集+a
2012年の甲子園で圧倒的な投球していた藤浪から本塁打放ち2016年の強化試合ではWBC球なのに天井までもっていくあたり化け物過ぎるな pic.twitter.com/VnbINnTbA6
— ゴジキ (@godziki_55) January 3, 2018
準々決勝で劇的な逆転劇を見せた大阪桐蔭・光星学院の2強
順調に勝ち上がった大阪桐蔭は、準々決勝で浦和学院と当たった。
この年の浦和学院も優勝候補であったが、采配力や選手の運用方法に懸念を抱えていた。
この試合の大阪桐蔭の先発は藤浪ではなく、沢田圭佑。対する浦和学院もエース佐藤拓也ではなく山口瑠偉が先発だった。
初回に浦和学院が3安打を放って先制する展開になったが、大阪桐蔭にとって想定外だったのは、相手投手の山口を打ちあぐねたことである。浦和学院はその後、好投していた山口を降ろしてエース佐藤にスイッチしたが、大阪桐蔭からしたら助かったのではないだろうか。
高校野球で優勝するようなチームはエース格を中心に、分析や対策を徹底していくことが容易に考えられる中、山口の先発が効いていたにも関わらず、この交代は失敗だったに違いない。
藤浪が無死満塁から三者三振を奪い打線を勢いつかせて、佐藤から7回にようやく追いついた大阪桐蔭。しかし、8回にまさかのバッテリーミスで勝ち越される。その後9回表に森がヒットを放ち、すかさず2塁を狙うがアウト。流れは浦和学院の勝利に傾きかけたが、ここでギアが入るかのように大阪桐蔭の「勝者のメンタリティ」が発揮された。
怪我の田端に代わり4番に入る小池が四球で出塁し、安井洸貴が同点タイムリー。さらに白水健太が勝ち越しタイムリーを放って一気に逆転。最後は藤浪がランナーを出しながらも抑え、4強入りを果たした。
光星学院も実力充分のチームだったが、同じく準々決勝で苦戦した。相手はこちらも優勝候補であった愛工大名電。
光星学院は2011年夏準優勝に貢献した北條史也と田村龍弘が軸となり、愛工大名電は浜田達郎を擁している。明治神宮大会決勝と同じカードということもあり、非常に注目度が高い試合となった。
光星学院は初回、田村の長打からチャンスを作り、北條のタイムリーで先制する。愛工大名電も負けじと6回に逆転し、浜田を援護する展開となった。しかし、終盤になり流れが光星学院に傾き、三振のはずが死球と判定される誤審も重なって逆転され、そのまま光星学院が勝利した。
「機動破壊」健大高崎対藤浪×森の大阪桐蔭バッテリー
準決勝の第一試合。機動力野球を活かして台頭し始めた健大高崎が大阪桐蔭にどこまで自分たちの戦いをできるかが注目された。しかし、総合力で勝る大阪桐蔭は健大高崎の野球を封じ込めた。機動力野球が一定以上のランクの相手には通用しづらいことが具現化された試合だったように思う。
高校野球に限らず、機動力を戦術のメインに置くことはリスクであり、総合力で上回る相手には簡単に通用しない。大阪桐蔭バッテリーは、従来のクイックのタイムなどで簡単に盗塁を許す一方、藤浪が8安打を浴びながらも力で押し切って勝利した。
「打」の光星学院か?「采配」「投」の大阪桐蔭か?の決勝
片や、夏春2季連続で決勝に進出した光星学院。片や、実績からすると意外だがセンバツ初優勝を目指す大阪桐蔭。
この決勝戦では、大阪桐蔭の西谷浩一監督の見事な采配が光った。
光星学院は、田村や北條といった主軸が共に複数安打を記録したが、藤浪の踏ん張りや総合力の高さで大阪桐蔭が勝った。
大阪桐蔭は、連日チームを牽引していた森がノーヒットだったものの、このセンバツで田端の代わりに4番に座っていた小池が先制ホームランに加えて追加点のチャンスメイクをするヒットを放つなど活躍。西谷氏の抜擢が成功した。
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