ゴジキが振り返る2010年代の高校野球(2011年夏)
お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

BW_machida

2020/07/25

新型コロナウイルスの影響で中止となった今年の春のセンバツ、夏の甲子園。代替案として「甲子園高校野球交流試合」が開催されることになりました。高校野球ロスを取り戻すために、お股クラスタの1人でもあるゴジキ氏(@godziki_55)に2010年代の高校野球界を振り返ってもらうプレイバック企画。

 

 

■2011年夏の甲子園 優勝校:日大三(西東京、10年ぶり2回目)

 

総合力の高さで悲願の優勝を果たした日大三

 

2010年のセンバツで準優勝、明治神宮大会では優勝し、センバツでもベスト4に入った日大三。エース吉永健太朗とクリーンアップで並んでいた畔上翔、横尾俊健、高山俊を中心とした野手陣を中心に、この夏を制した。

 

調子の不安定さが懸念されていた吉永は、この夏も打ち込まれる場面はあったが、畔上、横尾、高山を中心とした打力でカバー。この大会では全試合で5得点以上を挙げた。

 

準々決勝以降こそ順当に勝ち上がることができたものの、2回戦の開星戦と3回戦の智辯和歌山戦は拮抗した戦いとなった。

 

2回戦の開星戦は、吉永と白根尚貴という好投手同士による投手戦の予想が多かった中、意外にも打撃戦が展開された。序盤の時点で日大三が5点のリードを奪う展開を見せ、白根は降板。順当な試合運びに見えたが、5回、6回に開星打線が吉永を攻め立てて逆転に成功。しかし日大三もこの世代屈指の打力を擁して再逆転。ここが春の日大三とは違う点だった。

 

春までなら吉永頼みな部分があり、逆転された途端攻撃に焦りが生じるような展開も考えられた。この逆転劇の中には注目打者であった高山の犠打などもあり、タレント集団ながら主役がきっちり仕事を決める側面も見られた。

 

また、エースの吉永は初戦で爪を割るといったアクシデントもあり、変化球が投げられる状態ではなかったそうだ。この2回戦ではスライダーを封印し、直球とシンカーのみで組み立てていたが、中盤に打たれ始め、痛みの中スライダーを解禁した。こうした状況の中でも勝った日大三の強さは、実際のところ頭一つ抜けていた。

 

次に3回戦の智辯和歌山戦だが、こちらは名実と共に好カードだった。
この試合も日大三が序盤から攻め立て、2回終了の段階で5点のリードを奪う。対する智辯和歌山も3回から徐々に攻め立てていき、7回には1点差まで詰め寄り同点のチャンスになる。

 

ここで、正捕手の鈴木が吉永を救った。フェンスに這いつくばってキャッチャーフライを捕球しピンチを凌いだ。日大三はその後、菅沼のホームランで引き離して勝利した。

 

この試合では、吉永や畔上、横尾といった主力選手だけではなく、鈴木、谷口、菅沼といった下位打線の選手たちが甲子園という大舞台で実力を発揮した。それによってチーム力の底上げができた。この試合から日大三は全体的な力が向上していき、危なげなく優勝を飾った。

 

この世代にはあの選手がいた

 

日大三が圧倒的な強さで優勝したが、2年生ながらも出場した花巻東の大谷翔平をはじめ、横浜の近藤健介や中日のエースの座に登り詰めている柳裕也なども出場していた。金沢のエースは、楽天に在籍する釜田佳直であった。

 

また、甲子園には出場していなかったが敦賀気比には吉田正尚がおり、U18では中日の高橋周平が活躍した。

お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

お股ニキ(@omatacom)(おまたにき)

野球経験は中学の部活動(しかも途中で退部)までだが、様々なデータ分析と膨大な量の試合を観る中で磨き上げた感性を基に、選手のプレーや監督の采配に関してTwitterでコメントし続けたところ、25,000人以上のスポーツ好きにフォローされる人気アカウントとなる。 プロ選手にアドバイスすることもあり、中でもTwitterで知り合ったダルビッシュ有選手に教えた魔球「お股ツーシーム」は多くのスポーツ紙やヤフーニュースなどで取り上げられ、大きな話題となった。初の著書『セイバーメトリクスの落とし穴』がバカ売れ中。大のサッカー好きでもある。
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