BW_machida
2020/09/03
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2020/09/03
昨年夏の甲子園で優勝した履正社は、優勝メンバーを中心に今年も完成度が高かった。
優勝を知る選手には、エースの岩崎峻典や小深田大地、池田凜などがいた。さらに、4番に座るのは元阪神タイガースの関本賢太郎氏の息子でもある関本勇輔。投打共に盤石な戦力だった。
岩崎は球速面に物足らなさはあるものの、スラットを擁して空振りを取ることができる投球スタイルだった。小深田は昨夏3番打者として優勝に導いた柔らかい打撃と長打力が、関本はパンチ力のある打撃と肩が売りである。池田も昨夏に奥川恭伸から2安打を放つなどシャープな打撃が魅力で、この世代ではトップバッターを担っていた。
大阪府の独自大会の準決勝では、大阪桐蔭に対して実力差を見せ付けて、秋季大会の雪辱を晴らす形で勝利した。夏に大阪桐蔭を下すのは21年ぶりの快挙だった。
大阪桐蔭は2年生に楽しみな逸材が集まっていた。
中学時に146km/hを投げて注目された2年の関戸康介は、独自大会の上宮太子戦で最速154km/hをマーク。同じく2年で184cmの大型左腕の松浦慶斗は、独自大会の履正社戦で150km/hを記録したことに加え、交流試合の東海大相模戦ではリリーフで好投。来年が楽しみな投手陣だ。
※関戸康介投球動画
一足早いが大阪桐蔭の次の世代、左の松浦と、この関戸と言った左右エース級2枚がいるのがかなり楽しみだなpic.twitter.com/WHAOiCMWLc
— ゴジキ (@godziki_55) August 12, 2020
※松浦慶斗投球動画
前々からコラムやツイートで言っているが大阪桐蔭2年の関戸はもちろんのこと、松浦も凄いから秋からの新世代期待してしまうな
逆に履正社はこの世代の完成度が高かったから甲子園の大会としてこのチームを見たかったなpic.twitter.com/mCJZo1n7JX— ゴジキ (@godziki_55) August 10, 2020
U15で主将を務めていた池田陵真を中心に打撃面を形成していければ、2018年以来の甲子園優勝も夢ではないだろう。
西谷浩一監督の投手運用やマネジメントには定評があり、2012年の藤浪晋太郎、澤田圭佑や2014年の福島孝輔、田中誠也の左右2枚、2018年の柿木蓮、根尾昂、横川凱の3枚と言ったエース級が複数人いる年はいずれも甲子園で優勝している。
2010年代後半から大阪勢は甲子園で圧倒的な強さを誇っている。下記が、2016年からの大阪勢の成績だ。
2016年春:大阪桐蔭(2回戦敗退)
2016年夏:履正社(3回戦敗退)
2017年春:大阪桐蔭(優勝)・履正社(準優勝)
2017年夏:大阪桐蔭(3回戦敗退)
2018年春:大阪桐蔭(優勝)
2018年夏:大阪桐蔭(優勝)
2019年春:履正社(1回戦敗退)
2019年夏:履正社(優勝)
この成績を見ると、大阪桐蔭は3度の優勝をしており、履正社も優勝と準優勝を1度ずつしている。特に、2017年からは必ず春夏どちらかで優勝している状態で、全国でも屈指のレベルの高さである。
2018年に春夏連覇をした大阪桐蔭を最も苦しめたチームが同じ大阪の履正社であったことも記憶に新しい。2020年代も大阪勢が世代のトップを走り続けていく可能性は高い。
また、近畿勢に広げてベスト4以上のみの成績を見ると下記になる。
2016年春:智辯学園(優勝)・龍谷大平安(ベスト4)
2016年夏:なし(履正社3回戦)
2017年春:大阪桐蔭(優勝)・履正社(準優勝)・報徳学園(ベスト4)
2017年夏:天理(ベスト4)
2018年春:大阪桐蔭(優勝)・智辯和歌山(準優勝)
2018年夏:大阪桐蔭(優勝)
2019年春:明石商(ベスト4)
2019年夏:履正社(優勝)・明石商(ベスト4)
2016年の夏以外、近畿勢は必ずベスト4には残っている。
2020年代も近畿勢を中心に優勝争いが繰り広げられることが予想される。また、各予選の大会や近畿大会での出場争いも熾烈になっていくことは間違いない。
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