ryomiyagi
2020/08/23
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2020/08/23
秋季大会決勝との同一カードに勝利し、大阪桐蔭が史上3校目の春連覇
この年の大阪桐蔭は、2017年センバツ優勝メンバーが多く残っている中、投打の力や采配力、勝負強さで他を圧倒した。
初戦の伊万里には格の違いを見せつけるかのように20安打で14得点を奪い、控え選手にも甲子園の雰囲気を経験させた上で勝利した。
3回戦の明秀学園日立戦では、相手投手の細川拓哉との対戦が注目された。主将の中川卓也が先制タイムリーを放ち、守りの面では先発の根尾昂がランナーを出しながらも要所で外角を上手く使って抑えていく。その後も根尾や藤原恭太と言った主軸のタイムリーで追加点を奪い、5対1で勝利した。
準々決勝の花巻東戦は初戦と同様に打線が爆発し、大量得点で17安打で19得点を奪い勝利。ここまでの勝ち上がりは攻守共に順調にであった。
準決勝の三重戦は、この大会で初めて相手を追いかける展開となる。先発のエース柿木蓮は3回に2点を失い、打線も三重の先発、定本拓真の前に中盤まで得点することができずにいた。だが劣勢の状況でも、王者大阪桐蔭は落ち着いていた。
2点ビハインドの6回に山田健太がレフトスタンドへのホームランを放ち1点差に追い上げ、土壇場の9回裏に根尾が四球で出塁。山田のバントミスがあったものの石川瑞貴が繋ぎ、続く小泉航平がエンドランをきっちり決めて同点に追いついた。
試合は延長戦に入り12回裏、一死から青地斗舞がエラーで出塁し、中川が三振に倒れたものの、4番藤原が左中間への長打を放ちサヨナラ勝ち。決勝進出を果たした。
また、この試合で5回から2番手としてマウンドに上がった根尾は、これまでにないベストピッチングを見せて、9奪三振を含む無失点の好投で勝利を呼び寄せた。
決勝の相手となった智辯和歌山を見てみると、初戦の富山商戦では2年生の池田陽佑が好リリーフを見せて4対2で勝利。3回戦の国学院栃木戦は、初回に林晃汰の2点タイムリースリーベースを含む4点を先制し、着実に得点を積み重ねていった。投げては、平田龍輝が終盤に国学院栃木打線に捕まりつつあったものの、完投して7対4で勝利した。
準々決勝の創成館戦と準決勝の東海大相模戦はいずれも壮絶な打撃戦となった。
創成館は小堀颯を攻め立てて、初回に3点を奪う。智辯和歌山も負けじと2回に黒川史陽が逆方向にスタンドインさせて1点返す。さらに、3回にも林がレフトスタンドに放り込む。
中盤は、創成館と智辯和歌山が勢いのままに連打を重ね、互いに追加点を入れる試合展開だった。終盤も試合は動く。2点ビハインドの9回裏、智辯和歌山は安打と四球を絡めて平田龍輝のタイムリーで追いつく。10回表に創成館が1点勝ち越したものの、智辯和歌山はこの状況に対して怯まなかった。10回裏も智辯和歌山は勢いのままに攻め立て、最後は黒川がレフトオーバーの逆転サヨナラタイムリーを放ち勝利した。
東海大相模戦も、初回に4点を先制される展開から始まった。しかし、この試合も4点差は智辯和歌山から見たらすぐに追いつき、逆転できる点差だった。案の定3回に2点、4回に3点を入れて逆転する。東海大相模も負けじと渡辺健士郎のホームランなどで5回と6回に得点し、一時は最大5点差のリードを奪う。ところがこの展開でも智辯和歌山は難なく終盤に追い付き、10回に冨田泰生の犠牲フライで勝ち越し。さらには創成館戦でサヨナラ打の黒川がタイムリーを放ち、2点差をつけて勝利して決勝進出を決めた。
そして、決勝は大阪桐蔭対智辯和歌山の近畿勢同士の対戦カードとなった。2017年の春季大会から始まり、夏の甲子園大会そして秋季大会に引き続き、なんと4季連続の対戦となった。春2連覇を目指す大阪桐蔭とリベンジをしたい智辯和歌山の対戦ということで、注目度も非常に高い一戦となった。
大阪桐蔭の先発は柿木ではなく根尾だったが、4回表に東妻純平が2点タイムリーを放ち智辯和歌山が先制。大阪桐蔭は、その裏にすぐさまエラーなどで同点に追いつく。
その後は両者譲らず、終盤に進んだ7回、大阪桐蔭は宮崎仁斗のタイムリーで勝ち越す。8回にはこの大会当たりに当たっていた藤原と根尾のタイムリーで3点差に。最後は根尾が智辯和歌山打線を抑えて自身2度目となる胴上げ投手となり、春連覇を達成した。
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