akane
2019/09/27
遺言からみる庶民の日本史
akane
2019/09/27
「村役なんか絶対につとめるな」
「お金よりほかに宝物はない!」
「一番大切なのは、当家の相続。お前のことは、その次だ」
武士や公家だけでなく、百姓や商人も書いたエンディングノートが面白い! 天下泰平の世の中で「家」が形成され、人々は近親者の死を間近で経験するようになった。
そして最期を悟った者は残される者を思い、自らが得た教訓を込めて遺書を記した。それは万感の心情が表れた文章であるとともに、当時の社会が分かる貴重な「史料」である。
私たちが教わってきた歴史とは、有名人の業績と大事件のあらましだが、本書では教科書に載らない市井の人々の声に耳を傾ける。
遺書という史料を読むことで歴史学を体感しつつ、異なる時代の人生から今に通じるヒントを得る。
一九八五年生まれ。国士舘大学文学部史学地理学科講師。公益財団法人德川記念財団特別研究員。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。一橋大学附属図書館助教を経て現職。主な著書は『アジールの日本史』(同成社)、『井伊直虎 女領主・山の民・悪党』(講談社現代新書)、『「名著」から読み解く日本社会史 古代から現代まで』(ミネルヴァ書房)など。
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