【2019年】原辰徳監督の采配力と各選手の高いパフォーマンスで5年ぶりのリーグ優勝(野手編)
お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

ryomiyagi

2020/05/31

新型コロナウイルスの影響で、開幕の見通しが立たないプロ野球でしたが、ついに6月19日に開幕が決定!
そこでプレイバック企画として、お股クラスタの一人、ゴジキ氏(@godziki_55)に2010年代の巨人軍を振り返ってもらいました。

 

 

2019年
シーズン成績:77勝64敗2分 勝率.546 1位
ポストシーズン成績:CS Final4勝1敗、日本シリーズ 0勝4敗

 

ベテランの亀井善行は1番に定着し、坂本勇人は遊撃手として史上初の3割40本塁打を達成。広島から新加入の丸佳浩は安定した成績を残し、主砲の岡本和真も春先は苦しみながら30本塁打を達成。こうした主軸の活躍で、5年ぶりのリーグ優勝に輝いた。
シーズン終了後に開催されたプレミア12では、小林誠司、坂本勇人、丸佳浩が野手陣で選出され、初優勝に貢献した。

 

主に2番を打っていた坂本は、「バレル」の再現性を高めてた上で「パワーフォルム型」として、遊撃手では史上初のシーズン3割40本塁打を含む、打率.312 40本 94打点 OPS.971の成績を残し、セリーグMVPに輝く活躍を見せた。広島から移籍してきた新加入の丸も、坂本や岡本あたりの選手になかなか長打が出ない時期は自身が長打を狙いに行く打撃スタイルでチームを牽引した。主に3番として出場し、打率.292 27本 89打点 OPS.884を記録。守備面は、7年連続となるゴールデングラブ賞を獲得した。

 

4番として出場していた岡本は、春先は苦しんだ印象であった。調子がなかなか上がらず、苦労をしていたのではないだろうか。身体を大きくしたことで、身体が絞れたりキレが出やすくなったりする時期までは速い球への対応に苦戦していたことが原因だと考えられる。新外国人のクリスチャン・ビヤヌエバが加入したこともあり、三塁手としての調整不足のせいかバント処理のチャージが遅れることもあり、ベストコンディションでなかったことは確かだった。さらに、この年は梅雨明けするまで本格的に暑くなる季節がなかなか来ず、得意とする夏場の到来が遅れたのも痛かった。

 

それでも本格的に暑くなってきた得意の夏場から調子を上げていき、8月はシーズン通して唯一の月間打率3割越えを含めた9本塁打 26打点の活躍を見せた。 9月も月間成績こそ8月と比較して成績を落としたが、同月10日のDeNAとの直接対決では今永昇太からの本塁打を含む2ホーマーを放ち、大一番で4番の重責を果たす貢献をした。 結果的には、2年連続30本塁打を含む、打率.265 31本塁打 94打点 OPS.828の成績を残した。クライマックスシリーズでは、3本塁打 7打点の活躍でMVPに輝いた。坂本、丸、岡本のコア3人がリーグトップクラスの打撃力を誇ったのは間違いない。

 

また、亀井は吉川尚輝が離脱した時期からは1番打者として起用され、打率.284 13本 55打点 OPS.786の成績を残し、優勝に大きく貢献した。日本シリーズは2打席連続本塁打を記録するなどの活躍で敢闘選手賞を獲得した。2018年のシーズンでは不甲斐ない結果だったアレックス・ゲレーロは、夏場から調子を上げていき、最終的には20本塁打を記録した。

 

さらに、捕手3人体制も良い意味で効果が出たシーズンでもあった。正捕手である小林、一塁手と兼任で左投手を上手くリードできる大城卓三、新加入の炭谷銀仁朗の捕手3人体制により、投手との相性で臨機応変に起用することができることや負担が分散されたことにより、パフォーマンスもほとんど低下せずにシーズンを終えることができた。

 

二塁手は若手選手の4人が務め、彼らの活躍も光ったシーズンであった。吉川尚輝は、離脱前まではトップバッターとして4割近い打率を残し、山本泰寛は吉川の離脱後に好機をものにした。さらに、山本の調子が下がり始めると、若林晃弘が台頭し、交流戦ではチーム内トップとなる打率.333を記録する活躍を見せて、田中俊太もシーズン終盤、ポストシーズンでスタメン出場し、優勝に貢献した。

 

この年でキャリア最終シーズンになった阿部慎之助は、プロ野球史上19人目、球団史上3人目となる通算400本塁打を達成した。シーズン通して代打や5番打者として出場し、打率.297 7本 27打点 OPS.892の成績を残し、引退の花道を優勝で飾った。

 

このシーズンは劇的なサヨナラ勝ちや優勝決定試合など多くの名場面が生まれたが、一番印象に残ったのはやはり9月27日のDeNAとの本拠地最終戦、阿部の引退試合だろう。
球団史上歴代最高の捕手である阿部の引退試合で自身が本塁打を放ち、その阿部のキャプテンを引き継いでから初のリーグ優勝を経験した坂本が遊撃手として初のシーズン40本塁打目を放つシーンは、間違いなく巨人ファンのみならず多くの野球ファンに感動をもたらした。

 

【主な野手陣】

 

坂本勇人 打率.312 40本 94打点 OPS.971
岡本和真 打率.265 31本 94打点 OPS.828
丸佳浩 打率.292 27本 89打点 OPS.884
亀井善行 打率.284 13本 55打点 OPS.786
ゲレーロ 打率.237 21本 54打点 OPS.863
阿部慎之助 打率.297 7本 27打点 OPS.892
大城卓三 打率.265 6本 30打点 OPS.718
陽岱鋼 打率.274 4本 21打点 OPS.726
小林誠司 打率.244 2本 19打点 OPS.580
ビヤヌエバ 打率.223 8本 24打点 OPS.711
吉川尚輝 打率.390 0本 3打点 OPS.847
田中俊太 打率.224 4本 14打点 OPS.631
若林晃弘 打率.239 5本 21打点 OPS.685
山本泰寛 打率.232 2本 10打点 OPS.679

お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

お股ニキ(@omatacom)(おまたにき)

野球経験は中学の部活動(しかも途中で退部)までだが、様々なデータ分析と膨大な量の試合を観る中で磨き上げた感性を基に、選手のプレーや監督の采配に関してTwitterでコメントし続けたところ、25,000人以上のスポーツ好きにフォローされる人気アカウントとなる。 プロ選手にアドバイスすることもあり、中でもTwitterで知り合ったダルビッシュ有選手に教えた魔球「お股ツーシーム」は多くのスポーツ紙やヤフーニュースなどで取り上げられ、大きな話題となった。初の著書『セイバーメトリクスの落とし穴』がバカ売れ中。大のサッカー好きでもある。
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