ryomiyagi
2020/07/30
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2020/07/30
初戦から3時間を超える激闘!明徳義塾と智辯和歌山の名門対決
この大会屈指の好カードといえば、延長15回までもつれた明徳義塾対智辯和歌山である。
初戦で強さを発揮した明徳義塾だったが、智辯和歌山の策にハマった事は否めない。智辯和歌山は左の斎藤祐太が先発した。おそらく、明徳義塾に左打者が多いことを想定した上での起用だっただろう。さらに、秋の公式戦で打数がわずか1の春野航輝を7番で起用した結果、3安打猛打賞を記録するなどの活躍を見せた。
一方、明徳義塾はエースで4番の岸潤一郎を5番に置き、代わりに4番に座ったのが秋の公式戦出場がなかった西岡創太だった。
スタメンを見るだけでも互いに探り探りで始まったこのカードだが、2回表に智辯和歌山が岸のワイルドピッチで先制する。その後、5回裏に明徳義塾が追いつく。
お互い譲らず延長戦に突入し、智辯和歌山は山本龍河がライトスタンドへのホームランを放ち、勝負は決まったかのように思われた。しかし、明徳義塾が粘りを見せてスクイズで追いつき、延長はさらに続く。
15回に入り、智辯和歌山は満塁のチャンスを作るが、岸が凌いだ。そして、15回裏に東詰妻勇輔のワイルドピッチで試合は決まる。
初回から3時間を超える激闘だったが、明徳義塾の馬淵史郎氏と智辯和歌山の高嶋仁氏がスタメン発表から動くなど、互いに意識し合いながら試合を進めていったことも接戦の背景にあるだろう。
智辯学園・岡本和真vs.佐野日大・田嶋大樹
この大会屈指の好打者である岡本和真とこちらも好投手の田嶋大樹が対戦した智辯学園対佐野日大は、延長戦までもつれる展開となった。
岡本は、このセンバツで2本塁打を記録するなど、世代で頭ひとつ抜けた打力を見せていた。田嶋も初戦で12奪三振を記録するなど完璧な試合運びをした。
田嶋は岡本から2奪三振を含む、手も足も出ない状態に抑え込んでいたが、岡本も黙ってはいなかった。8回に同点の足がかりとなる遊撃手への強襲ヒットを放つと、4番の吉岡郁哉のタイムリーなどで智弁学園が追いつく。試合終盤には岡本自らマウンドに上がって力投を見せたが、最後はサヨナラ負けを喫した。
この試合の全体を見ると、智辯学園からすると岡本が中盤まで完璧に抑えられていたことが誤算で、得点の機会を失っていた。終盤に追いついたものの、田嶋が踏ん張り追加点を許さなかったことも大きかった。
決勝は近畿勢同士の龍谷大平安対履正社
決勝の対戦カードは龍谷大平安対履正社となった。なお、この年あたりから近畿勢は安定してベスト4以上に勝ち上がっていることもあり、頭ひとつ抜けている地域であることは間違いない。
※2019年も明石商(兵庫)がベスト4
ここ5年の選抜優勝校/準優勝校,4強
2014龍谷大平安/履正社
佐野日大,豊川2015敦賀気比/東海大四
大阪桐蔭,浦和学院2016智弁学園/高松商
龍谷大平安,秀岳館2017大阪桐蔭/履正社
秀岳館,報徳学園2018大阪桐蔭/智弁和歌山
三重,東海大相模— ゴジキ (@godziki_55) March 15, 2019
さらに、このセンバツ大会では履正社が決勝まで進んだが、夏は大阪桐蔭が決勝に進んだこともあり、大阪のレベルがこれまで以上に他の都道府県と比較して突き抜けていることがわかる。この傾向に関しても、別の記事で書いていきたい。
龍谷大平安は元氏玲仁と高橋奎二を中心に、中田竜次、犬塚貴哉と言った4人の投手を駆使して勝ち上がり、決勝戦でも4投手が登板した。
対する履正社は、溝田悠人と永谷暢章の投手陣で試合を作り、打線では4番の中山翔太を軸に得点をあげていくチームだった。
両校とも接戦を制したり好投手を攻略したりして勝ち上がってきたが、同様に決勝戦も終盤まで動く試合展開となった。そして、最後に上回ったのは龍谷大平安だった。
先制した龍谷大平安は、履正社に追い上げられるも、最終回に4番河合泰聖のホームランで引き離し、最後はエースナンバーを背負った中田が締めてセンバツ初優勝を飾った。
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